2020年4月28日火曜日

英国王室と関りの深かったガラード



共に時を刻みたくなる、美しいパティナが魅力のガラード

ガラードは、英国王室と深い関りのあったメーカーとして有名であることは言うまでもありませんが、この個体の最大の魅力は、正しく使われて来た道具だけが纏うことの出来る極めて美しいパティナであると断言できるでしょう。パティナとは、英語独特の言葉で、緑青という意味もありますが、年月を積み重ねてきた道具などの表面に現れる経年変化のことです。英国人は特に美しい佇まいとなった表情を"Lovely patina"と言って称賛します。この時計と共に時を刻みたいと感じられた方に使っていただきたいガラードです。

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■基本はデラックス
一見するとスミス社製とは思えない、ガラード。しかし、スミスを良く知る人であればこの時計のベースが、1950年代のスミス・デラックス初期モデルであることが分かるはずです。夜光塗料が施されたアラビア数字のインデックス部分の盤面が一段下げられた文字盤。そして、個性的なルミナス長短針のデザインは、まさにスミス・デラックス。



■各部に現れたパティナ

クロームメッキケースのラグ先端部分のメッキの擦れから現れた真鍮の地金。文字盤の日焼けによる美しいグラデーションのサンバースト・ブラウン。これらの、正しく使い込まれた個体にしか現れない美しいパティナは年輪を重ねてきたこのアイテム固有の表情と言えるでしょう。


■繊細な青焼針と夜光塗料との調和
光を当てて長短針をご覧いただくと、趣のある夜光塗料が施されている針が、繊細な縁取りを作り上げているブルースチール製であることが分かります。文字盤の夜光塗料のアラビア数字とのマッチングはもちろん、美しいグラデーションを見せるパティナとの調和は、正に時が生み出した奇跡と言っても過言ではないでしょう。

■英国製へのこだわり
戦後のスミス社はイングランドのチェルトナム工場でハイグレード・モデルを生産していましたが、英国の老舗ブランドであるガラードが、その生産をスミス社へ依頼した大きな理由がここにありました。やはり文字盤には"MADE IN ENGLAND"とあるべきなのです。

■希少な純英国ムーブメント
ムーブメントに誇らしく刻まれた"MADE IN ENGLAND"の文字。戦前のスミス社はその生産のほとんどをスイスのロンジン社へ依頼していました。しかし戦後、スミス社はスイス品質の時計を自国で生産することを理想とし、成し遂げました。スミス社は当時でも限られた純英国製の高品質時計メーカーであったのです。

■スイスの品質に英国らしさを
戦前より設計を開始して、戦後に完成を見た腕時計用高性能ムーブメントが1215でした。このガラードに搭載されているキャリバーは1215の後継である初期のCタイプ・キャリバーです。ジャガールクルト社からスミスへ移籍したロバート・レノア氏が英国のデザイン・エッセンスを投入して設計した名作1215の欠点を払拭した、完成度の高いムーブメントと言えます。






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