2018年10月5日金曜日

極上の輝き、18金無垢のスミス・デラックス


スミス・デラックスの最高峰、18金無垢ケース

スミス社の金時計は、頑なに英国の伝統を守り金無垢ケースには9金を使用していたように思われています。しかし実際には、戦前より18金無垢ケースの懐中時計を多数リリースしており、最高峰のモデルには、18金無垢が採用されていました。そして、戦後のスミス社製腕時計にも、極めて稀に、また少量の生産ではありましたが、18金無垢ケースを使ったモデルが存在しました。今回紹介させていただくアイテムが、まさにデラックスの最高峰と言える18金無垢、1955年生産のデラックスです。

18金無垢として選ばれたのは、ラグのエッジが効いたシャープで彫が深く、気品あるデザインのケースです。このケースの18金の色は、温かみのある、ややピンク系のゴールドで、落ち着きのある色合いで、さすがに英国製の18金といえる上品な色合いです。




3ピース・ケース本体の側面には18金を示すホールマークが施されています。ケースの状態もご覧いただける通り、ほとんどキズなどの無いミントコンディションを保っています。





竜頭側から眺めたケース側面。ギリシャ彫刻のような面構成されたエッジの効いたデザインは品格の高さを感じさせます。また、ベゼルとラグとの間に、わずかな溝を付けることで、それぞれを独立した造形に見せています。




反対側からの眺め。浮彫のインデックスはイエローゴールドの金メッキを採用しており、同じ金の微妙なコントラストが奥深い味わいを作り上げています。






デュオトーン文字盤のセンター部分はわずかにエイジングしており、淡いピンクに色づいており、この個体の個性を感じさせる魅力となっています。付属のデッドストック・ベルトとのマッチングは素晴らしいの一言です。背景は付属のオリジナルの保証書です。






また、この製品には状態の良いオリジナルボックスが付属いたします。何十年もの間この箱の中で、大事に保管されていたことが、想像できます。






ベルトはスミス社製ではありませんが、1950年代当時の本革デッドストック品が付属いたします。風合いは見事にマッチしており、新品当時より装着されていたように見えるほど、自然です。





オリジナルボックス内部にはライニングが施されスミス・デラックスのロゴマークが金箔押しされています。エイジングはほとんどなく、清潔感のあるコンディションと言えるでしょう。





裏蓋には美しい刻印が施されており、これもまた、ヒストリックな魅力ある装飾と言えます。また、裏蓋のデザインにも周囲にエッジの効いたテーパード加工が施され、隅々にまで気を配ったデザインと言えます。





裏蓋の内側には、ホールマークが刻印されており、18金無垢であること、そして、1955年に製造されたケースであることが示されています。中段のふたつはエジンバラの税務署のマーク、そして下のZはイヤー・マークで1955年を表しています。





ムーブメントに美しく刻まれたMADE IN ENGLANDの文字。このムーブメントがスミスの英国チェルトナム工場で生産された証です。ムーブメントのプログラムレートは真鍮製で表面にフロステッド・ゴールド・プレートが美しく施されています。





この時計の生産年号はケースのホール・マークから1955年と判断されますが、裏蓋表面の刻印が1960年であること、そして、1960年前後より採用されたショックプルーフ機能が搭載されチラネジが装着された振子から、ムーブメントが搭載されたのは1960年頃であることが分かります。




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