2026年6月10日水曜日

 英国スミス社製時計の専門店 ウォッチギャラリービッグベアー

スミス専任時計師の店主による
"スミスのブログ"

新入荷のスミス❾
「1960年代がここにある
~黒文字盤デラックス、至極の逸品~


デラックスの黒文字盤

ゴールドプレーテッドケースの黒文字盤。このモデルはスミスの高品質モデルであるデラックスの中でも、当時、人気を博したモデルでした。


そんなこともあり、当時のカタログを紐解くと、1950年代半ばより1960年代初めまでのロングセラーであったことがわかります。



スミス品番 A.358

上の画像は1959年の雑誌PUNCH誌に掲載されたスミス社の広告で、よく見るとA.358というスミス品番が記載されており、このデラックスに付属する当時のオリジナルボックスに貼られた品番と一致し、紛れもなく純正ボックスであることが分かります。

また、広告のイラストの文字盤を良く見ていただくと、「17 jeweles」の記載はありますが「shockproof]」の文字はみられません。

ショックプルーフ機能はスミスの場合、基本的に1960年代より採用されており、この雑誌広告の製作時の1959年は過渡期(1959年頃~1961年あたりまで)になりますが、今回入荷したこのモデルは、過渡期の中でも恐らく1960年頃のモデルであると考えられます。



至極の逸品

正面からの写真をご覧いただくと、この個体の状態がいかに良好であるかを、お分かりいただけることでしょう。

消耗品であるレンズとベルトは工場出荷時のものではなく、新品が装着されていますが、竜頭は純正品であり、このモデルのチャームポイントと言えるキャンディー塗装のレッドアローは、透明感を保った極めて美しい状態が健在です。

さらに、ゴールドプレーテッドケースの状態には、目を見張るものがあり、実用に使用されていた時計とは思えない、デラックスモデル本来の艶やかな光沢と上質感をお楽しみいただけることでしょう。


過渡期の魅力

スミスの場合、1950年代末期にテンプ(円形の振り子)の革命的な進化が起こり、チラネジの廃止とショックプルーフ機構の導入が、ほぼ同時期に行われました。

それにより、過渡期にはチラネジの有るテンプにショックプルーフが搭載されるというヴィンテージウォッチファンにとっては理想的といえる組み合わせが実現したのです。

テンプの進化という見地に立てば、工作精度が上がったことによりチラネジのないシンプルなテンプが生まれ、そこに、耐衝撃性の高いショックプルーフ機構が搭載されることが理想である訳ですが、チラネジには、伝統的な歩度調整機能であるとともに造形としての機能美があり、ショックプルーフには安心であることと共にデザイン的な美しさが備わっています。

つまり、ヴィンテージウォッチファンとしてはチラネジとショックプルーフのどちらにも大きな魅力を感じられ、それらが共存する過渡期だけにみられるこのモデルの魅力は絶大ではないかと思います。

そんなオリジナルボックスと当時の保証書が備わったプレミアムコンディションである上に、チラネジとショックプルーフが備わった、この黒文字盤デラックスに心惹かれた際には、ぜひとも商品ページをご覧ください。

商品ページはこちらから。