2019年4月17日水曜日

1215とデラックスとの過渡期のデザインが魅力


個性と佇まいと

1950年代の初頭にリリースされたこのデラックスは1215(トゥウェルブ・フィフティーン)のデザイン要素をベースに、デラックスの持ち味である伝統的な装飾を加えた、極めて個性的なモデルです。さらに、その佇まいの美しさは、長年、実用の道具として正しく使用されてきたことにより生まれるナチュラルなエイジングが積み重なった結果と言えるでしょう。そこには、ヴィンテージ・ウォッチならではの深い味わいがあります。

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■味のある個性的なデザイン
ホーンラグと呼ばれる角型の独特なラグ形状。アラビア数字とドットのインデックスが並ぶ面は一段掘り下げられ、スモールセコンド・ダイヤルはさらに一段下げられた凝った作りの盤面。さらに金が施されたドットは埋め込まれた立体的なデザイン。そのドットと調和する金メッキされた3針のうち時針には円形の装飾が付くという拘りが、極めて個性的ではありますが、トータルに見事なバランスのデザインとなり、このモデル以外にはない雰囲気を醸し出しています。


■長年正しく使用されてきた証
ケース表面や文字盤など、ほとんどすべての部分に現れたエイジング。これらは日常の道具として、長年、正しく使用されてきたことで積み重ねられた味わい深い証といえます。このデザインに、このエイジング。偶然ではない、必然が作り出したこの佇まいは、ヴィンテージ・ウォッチならではの魅力と言えるでしょう。


■オリジナルの竜頭は裏切らない
このデラックスには、オリジナルの竜頭が付属しています。長年使用されてきた間に純正部品に交換されたという可能性もゼロではありませんが、消耗具合から察すると工場生産時から付属していた竜頭ではないかと考えられます。そのことは、オリジナル・オーナーの扱が正しく、また、丁寧であったことの現れといえるでしょう。小さな竜頭ではありますが、それがオリジナルであり、良い状態を保っているということは、ムーブメントの素性などについても裏切られることはないといえるのです。とはいえ、使用状況に応じたメンテナンスは必要で、英国より入荷してから消耗品などの交換を含め徹底的な整備を行っていますので、今後も長年、安心して日常の時計として安心してご使用いただけます。


■オリジナルの箱が存在すということ
デッドストックや、手に入れてから、ほとんど使用することのなかった時計は、オリジナル・ボックスが付属することが稀にあります。ところがこのデラックスのように使用頻度が高かった個体に、オリジナル・ボックスが存在するということは、滅多にあることではありません。このことはオリジナル・オーナーの時計に対する細やかな心使いや、物をだいじに使用する気遣いなどの現れであると感じとれるでしょう。






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2019年4月16日火曜日

ロンドン市場にのみ販売した、スミス社製のエルメス腕時計


エルメスの名に恥じない美しさ

フランスのラグジュアリー・ブランドのエルメス社は、戦後まもなくスミス社にその生産を依頼して、ロンドン市場向けの腕時計を製造しました。その姿は、スミスの1215(トゥウェルブ・フィフティー)に酷似していますが、SMITHSのロゴがHERMESに変わった、ただそれだけで、全く異なった時計に生まれ変わっています。それはスミス1215の素性の良さとHERMESロゴの伝統とがつくり上げた英仏合作の逸品と言えるでしょう。

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■シンプルにして美しいバランス
クロームメッキとステンレススチールを組み合わせた英国の名門デニソン社製の3ピースケース。そして、アルミの地肌の盤面に極めてシンプルにデザインされた文字盤。さらに、金のアワーマークと3針。シックで繊細なデザインが高い次元でバランスしています。まさにエルメスの名に恥じない造形美と言えるでしょう。


■表情を変えるアルミ製の文字盤
アルミ製の文字盤は繊細な表面処理が施されているものの、ほぼフラットな盤面。そこに差し込む陽の光は様々な表情を作り出します。空に雲が少なければ、ブルーイッシュに。夕陽を受ければ、ほのかに赤く染まります。シンプルなデザインだからこそ、その変化が美しい文字盤の表情は、この時計の大きな魅力です。





■竜頭の意匠も1215譲り
エルメスに付くシンプルな竜頭。こちらも1215に使われているものと同じデザインが採用されています。見た目に控えめで美しく、そして、使いやすい。まさにグッド・デザイン。





■エルメスのロゴと円形の飾り
極めてシンプルな1950年代前後に使用されていたエルメスの、このロゴデザインは、この時計のためにデザインされています。トップの写真を見ていただければ、アラビア数字の書体と完璧にマッチしているのが分かります。そのデザインをスミスが手掛けていたとしたら、とても興味深いことです。また、短針に付く円形の飾りもこのモデルの魅力を引き立てています。








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2019年4月5日金曜日

彫りの深い美しいライン魅力のデラックス


刻まれたラインに時を重ねる

文字盤の表面には、美しく、しかし、不均等でナチュラルなラインが深く刻まれている。その、まるで木目のような、幾何学的でない繊細な線は、無機的な時計というメカニズムを人が使うぬくもりのある道具に仕立てているかのよう。そして、腕に着けた時に感じる金無垢という素材のやわらかさ。そんな数少ない身に着ける機械である時計へ注がれたスミスの哲学を感じ取ることできるのがデラックスの中でもハイラインに位置付けられたこの金無垢ケース&ラインダイヤルと言えるでしょう。時を経ても変わらないスミスならではの美しさは、時を重ね使い込むことで、使う人の思いがさらなる美しい佇まいとなり宿ります。

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■有機的なラインが温もりを
文字盤の表面に深く刻まれたラインは、一見、整然とした規則的な模様に見えますが、良く眺めてみると不均一で天然の木目のようなデザインです。そんな有機的な雰囲気を持つ文字盤は、時計という機械に温もりを感じさせてます。




■伸びやかなデザインの美しいラグ
当時、流行したスリムラインのシルエットに見事に溶け込んだ極めて美しいラグのサイドビューは、実際の時計の厚みを感じさせないスリムなラインを、より洗練させたデザインへと昇華させています。





■スミス社の高いプリント技術
このラインダイヤルの素晴らしい点に、スミスのロゴのプリント技術の高さをあげることが出来ます。深く刻まれたラインの盤面に極めて繊細に、かつ、正確にプリントされたスミスのロゴは、当時、特に優れていたスミスの文字盤製作技術のなせる技と言えます。



■雰囲気あるエイジングはオリジナルの証
このデラックスの外観はオリジナル度が極めて高く、消耗品であるレンズとベルト以外はフルオリジナルと言えます。やはり消耗品であるこの竜頭はエイジングが見られますが新品当時に付いていたものと同じパーツが装着されています。




■裏蓋にはイングレービングが
このモデルの多くはブリティッシュ・レイルのプレゼンテーションウォッチですが、この個体も例外ではなく美しい刻印が刻まれています。これもヴィンテージウォッチならではの魅力と言えるのではないでしょうか。



■オリジナルの3針が装着
このモデルの3針についてもオリジナルが装着されており、写真でお分かりいただけるように歪みなどはなく、表面的なエイジングのみの極めて良い状態を保っています。





■リビルトムーブメント搭載
この個体に搭載されているムーブメントは、残念ながら工場出荷時に搭載されていたものではありません。過去にオイルが乾燥した状態で使用されていた期間があったようで、入荷時には、ギアや振子などの軸に摩耗が見られました。そのため新品パーツを使用してフルリビルトされた同じ年代のスミス社製ムーブメントを搭載しています。つまり限りなく新品に近い状態ということで、デメリットというよりはメリットと言えるかもしれません。しかもオリジナルのムーブメントでないという観点から、価格は訳ありスペシャルプライスとなっています。
お薦めです!

■ホールマーは1965年
金無垢ケースの裏蓋の内側にあるホールマークという刻印から、このモデルが1965年に生産されたことが分かります。











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2019年4月4日木曜日

個性派のスミス・アストラル


日曜日の午前中

文字盤の表面い反射率の異なる無数のリフレクターを並べたような個性的なデザイン。室内ではシックで気品あふれるトラディショナルなスミス・アストラル。外へ連れ出し太陽の光を浴びると、その角度や光の強さにより実に様々な表情を見せてくれます。室内で見せる落ち着いた雰囲気とはまるで異なるキラキラとしたアクティブな印象。キャンディー塗装のレッドアローと共にアストラルならではの美しさが、日曜日の午前中に彩をそえて、浮きうきとした気分にさせてくれます。

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■デラックスにはないアバンギャルド
スミスの代表格には、ご存知のようにデラックスとアストラルという全く同じグレードの二種類のシリーズがあります。デラックスがトラディショナルなデザインに対しアストラルはモダンで少し時代の先を見据えたデザインでした。特にこのモデルは、今振り返ると思い切ったデザインのアバンギャルドだったのでは…。


テキスタイルのような魅力
強い光を当てなければ文字盤の表面はシックで落ち着いた、まるで布で出来ているような印象すら与えます。その表情はジェントルで気品に満ちた英国の伝統を感じさせてくれるほど。同じ文字盤とは思えない、こんなにも大きく変化する印象はオーナーだけが味わうことの出来る特権と言えるでしょう。


■キャンディー塗装のレッドアロー
スミスのセンターセコンド・ハンドには赤い装飾が施されていることが多く、それがスミスの個性のひとつとなっています。このキャンディー塗装のレッドアローも例外ではなく金メッキが施されたベースにクリアーレッドの塗装が施されています。透明感のある独特な質感が魅力です。



■独特な形状の裏蓋
このアストラルに搭載されている17石ムーブメントは、ベーシックなスモールセコンドの位置より、センターに秒針を配置するためにギアの数を増やし、また、ギアの階層を増やしているため、ムーブメント自体の全高が高くなっています。そのため裏蓋の形状もやや膨らみのある形状へ。



■階層を増やした17石ムーブメント
アングルを少し下げてムーブメント内部を眺めてみると、15石と比べギアの階層が増えていることが分かります。こんな眺めも機械式時計の魅力のひとつなのではないでしょうか。










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