2017年7月16日日曜日

スミスの正しい使い方と注意点



■スミス社製手巻式腕時計の使い方
ここでは、戦後のスミス腕時計の中でもハイグレード・モデルと呼ばれている、「1215」「デラックス」「アストラル」「エヴェレスト」そして「インペリアル」の使い方について解説します。

■竜頭の働き(動力用ゼンマイの巻き上げ)
スミスに限らず手巻式の腕時計は、時計の右側にある竜頭(リューズ)と呼ばれるつまみを手で回すことにより、ゼンマイが巻かれ、ゼンマイに蓄積された動力により針を動かすことが出来ます。

■竜頭の働き(時刻設定)
竜頭を手前に引っ張り出して、ゆっくりと回すと針が動き、時刻設定することが出来ます。この時、反時計回りに回すと時計の進行方向へ、時計回りに回すと逆方向へ針を動かすことが出来ます。


■ゼンマイの巻き方
竜頭を押し込んだ状態で、時計回りと反時計回りを交互に繰り返すように巻いて、巻上げが重たくなったら巻上げ完了です。

★★★★★★★★★ワンポイント・アドバイス★★★★★★★★★

◎お薦めの巻き方!
スミスの腕時計は基本的にゼンマイをいっぱいまで巻いていただくと、30時間動作いたします。ただ、ゼンマイを常にいっぱいまで巻いてご使用いただくと、ゼンマイに大きな負担がかかります。つまり、8割ほど巻いてお使いただくと約24時間動作し、ゼンマイが格段に長持ち致します。
◎こうすれば簡単!
竜頭の巻き方は個人差がございます。停止状態から、いつもの巻き方で一杯まで巻いてみます。その際に、何回巻けるかを数えていただきます。例えば、それが30回でしたら、次回からその8割に当たる24回巻いていただくと約24時間動作してゼンマイも長持ちするというわけです。


■時刻設定
竜頭を引っ張り出した状態で、ゆっくり回して、合わせたい時刻に長短針をセットし、最後に竜頭をゆっくり押し込みます。
※どちらに回しても時計が壊れない仕組みになっています。近道を選ぶと良いでしょう。

★上の動画をご覧いただくと、より分かりやすいと思います。

■使用上の注意点
①衝撃に弱いので落としたり、ぶつけたりしないように心がけましょう。
②防水機能が弱いため、水分の侵入に気を付けて下さい。
③ゴミの侵入は故障の原因のNo.1ですので、風の強い日の使用はひかえましょう。
④磁気の影響で狂いが生じやすいので強い磁気のそばには置かないで下さい。

◎神経質になり過ぎず楽しく使いましょう!
上記の注意点を読むと、気を使い過ぎて、楽しく使えないように思ってしまうかもしれません。でも、これらの注意点は現代の時計にも当てはまる常識的な心配りだと思います。
そして、ヴィンテージ・アイテムを使うということは、その製品が生まれた時代を感じることでもあるのではないでしょうか。その時代にタイム・スリップしたつもりで、楽しんで使ってみましょう。