2018年1月10日水曜日

ホリゾンタル・ラインのデラックス


スミスの定番、スモセコ・デラックスのライン・ダイヤル

文字盤に彫の深いラインが刻まれたスモール・セコンド付のデラックスは、デラックスの中でも特に人気のあるモデルです。1964年生産のこのモデルには、見た目の魅力だけではなく、ショックプルーフ機能付きの15石、ハイクウォリティー・ムーブメントが搭載されており、1950年代のモデルと比較すると、信頼性が圧倒的に向上しました。アストラにもよく見られるアラビア数字の書体と楔形のインデックスにより、洗練されたモダンな雰囲気の味付けが施されていますが、ホリゾンタル・ラインとスモセコとの組み合わせにより全体的にはデラックスのコンセプトであるトラディショナルなデザインは守られています。

左の写真は裏蓋の内側に刻まれたホールマークという刻印です。上部のSCWはスミス・クロック&ウォッチ・カンパニーのマークで、下の四つの刻印は左から9金無垢、「375」は、24金の37.5%の意味で同じく9金無垢を表し、小文字の「i」はイヤーマークで右がライオンの顔のマークです。ライオンの顔は、ロンドンの税務署の意味で「i」との組み合わせで1964年製造であることがわかります。ホールマークは国が金、銀、プラチナ製品をメーカーが製造した年に、課税した際に納税の証として打刻したものですが、今ではアンティーク製品の年式を調べる際の重要な手がかりとなっています。

下に見える丸いリング状の部品が時計の心臓部である振り子です。振り子の中心に赤い十字架のようなパーツが見えますが、この部分は振り子の軸受です。赤い十字架のように見えるのは、実はルビー製の円形の軸受で、それをホールドしている真鍮のスプリングの形状により、まるで赤い十字架のように見えるのです。衝撃を受けた時、このスプリングにより軸受がショックを吸収して、軸の中でも、最も細い振り子の軸の破損を防ぎ、ショックプルーフ効果が生み出されています。

裏蓋には刻印が刻まれており、ブリティッシュ・レイルウェイズ(BR)が社員の勤続45周年の際に贈ったプレゼンテーション・ウォッチであることがわかります。BRは日本でいうJRのような鉄道会社です。





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