スミスのフラッグシップ・モデル、インペリアル
スミス社のハイグレード腕時計というと、デラックスやアストラルが有名ですが、1960年代のフラッグシップといえばエヴェレストとインペリアルということになります。特にインペリアルは、すべてにムーブメントをインペリアル専用のスーパークウォリティー19石、CAL.0104キャリバーが搭載されているという点で、本来的なフラッグシップと位置付けられます。今回はその中でも贅沢なデニソン社製9金無垢ケースのインペリアルを取り上げてみました。
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スーパークウォリティーの19石ムーブメント搭載のインペリアルは文字盤の湾曲率が大きく優雅な雰囲気をデザインに取り入れています。また、幅の広いベゼル一体型のデニソン社製ケースは極めて美しく贅沢な印象を当ててくれます。
また、彫の深い大胆なデザインの長短針とスミスらしいセンターセコンド針先端の透明感のあるレッド・アローが、ラグジュアリーなフェイス・デザインに彩を添えています。
キャンディー塗装が施されたレッド・アローは透明度が高く、また、光が当たるとルビーのような美しい輝が極めて魅力的なスミスならではの装飾です。時計に目をやった際にここまで注目度の高い秒針は他にないでしょう。
ケース裏蓋には彫の深いラインが施されており、さらに、この個体には美しい刻印が刻まれています。これも、このアイテムの大きな個性的な魅力のひとつであるといえます。
裏蓋を開けると、その内側にホールマークが刻まれています。左のふたつは9金無垢であることの証で、右ふたつは1960年に生産されたことを表しています。その上部には英国の名門デニソン社製であること、また、英国製品であることが刻まれています。
ヴィンテージウォッチらしい周囲にチラネジの付く振子とショックプルーフ機構の十字架の形状は、長年、高度な技術を積み重ねてきたスミスの誇りを感じさせてくれる機能美と言えるでしょう。
このCAL.0104ムーブメントはデラックスなどに搭載されていたC1215キャリバーと比較すると直径が一回り小さく設計されており、その分文字盤の湾曲を大きくできる利点を持っていますが、実はこの小型化はの後に自動巻きをリリースするためのアイデアでもありました。
このアイテムは、極めて貴重なインペリアルのオリジナルボックスが付属いたします。全体にスミスのイメージカラーであるレッドでコーディネイトされておりトリムには金箔押しが美しく施されています。
ケース外装の表面処理と金箔押しはフラッグシップならではのグレードの高さを感じさせるデザインです。下部に見えるプッシュボタンはロック解除のオープナーです。
内装のライニングには、やはり美しい金箔押しが施されており、当時いかに贅沢な製品であったかを想像できるのではないでしょうか。
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