2019年9月7日土曜日

1960年代に生まれ変わったスミス1215


1946年製、スミス9金無垢1215

戦後間もなくスミス社は、英国チェルトナムの自社工場で、ほぼ100%イングリッシュ・メイドの腕時計の生産を開始しました。その時計のモデル名は1215(トゥエルブ・フィフティーン)。戦後のスミス社のヒストリーにおいて最も重要な出来事であり、このモデルからすべてが始まったといっても過言ではありません。戦後のスミス社のヒストリーをスタートさせた1215モデルはとても素晴らしい設計のムーブメントを搭載してはいましたが、いくつかの問題も抱えていたのです。

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■1960年代に生まれ変わった
初期モデルにありがちな問題を抱えていた1215モデル。約20年間使用されると、各部の消耗が進み日常使用に問題が出てくるようになります。そんな1960年代1215ムーブメントは進化を続け完成形を迎えます。そして、不具合のあった多くの1215モデルのムーブメントは1960年代のCタイプ・ムーブメントに換装され生まれ変わったのです。この個体も、ムーブメントを換装され、生まれ変わり高性能を得た1215なのです。

■安心して末永く使用できるように
そのシンプルなデザインの文字盤や上質なデニソン社製金無垢ケースなど、1215モデルには、後のデラックスやアストラルにはないスミスらしい佇まいがあるため、ファンが多く存在します。そんな、1215を安心して末永く使用できる手段として、ムーブメントの換装が試みられたわけです。とはいえ載せ替えられたムーブメントは1940年代に生まれた1215の進化形である1960年代のCタイプムーブメントであるため、これは正しい、そして、理想的な選択と言えるでしょう。


■美しさと信頼のデニソン・ケース
このモデルには1940年代に多く見られたホーン・ラグと呼ばれる、動物の角を思わせるデザインのラグを持つケースではなくシンプルな形状の3ピース・デニソン・ケースが採用されています。良く眺めてみれば、シンプルな中にも、表にはバネ棒の穴を見せないデザイン。そして、強度を第一に考えた曲線など、ラグへ対するデニソン社の哲学が美しさとなり、見るものに機能美を訴えかけてきます。それらは、長年の経験と積み重ねられた技術とが結実した美と言えるでしょう。


■しっかりとした巻き心地の竜頭
新品に交換されてはいますが、潔いデザインの機能を優先した竜頭。ムーブメントと人とが接する唯一の部品であるだけに、その巻き心地と操作感はとても重要。1946年に生を受け、1960年代に生まれ変わった1215。さらに、2019年にビッグベアーですべてに手が入り、次世代へ受け継がれる品質の製品にまで昇華しました。毎日使用できる1215をご希望でしたら、迷わずこの個体を選んでいただきたい。



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