2020年1月22日水曜日

理想の1215(トゥエルブ・フィフティーン)


理想の1215

戦後間もなく、スミス社はスイスのジャガールクルト社の技術を導入して世界水準の英国製ムーブメントの開発に成功しました。それが、この1215(トゥエルブ・フィフティーン)モデルです。ただ、この1215モデル、シンプルで英国では最もスミスらしいスミスと評されていますが、初期モデルに付き物のいくつかの欠陥を持っていたことも事実です。そんな1215の中で、この1950年代初期に生産されたこのモデルは、初期のデラックスに匹敵する改善型ムーブメントが搭載際された理想の1215最終モデルなのです。

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■ステンレス・スチール製ケース
この1215には、工作精度に優れたステンレス・スチール製の3ピース・ケースが採用されています。窓辺に置いて逆光で見ると、小ぶりながら、ふくよかな美しいケースのラインが際立ちます。レンズの反射で文字盤に歪みがあるように見えますが、実際には、平らでうねりなどは見られません。




■スミスならではの、素の美しさ
1215の文字盤はフラットでシンプルなデザインですが、細部には隅々にまで神経の行き届いたスミスらしい上品で控えめな美意識を感じさせます。派手さは微塵もありませんが、奥深い英国製品としての気品が満ち溢れています。ケースの影などで文字盤が歪んでいるように見えますが、実際は極めて美しい状態です。



■ブルースチールの美しさ
窓から差し込む陽の光をあてると、青焼針がメタリック・ブルーに輝きます。シックなデザインの文字盤に、唯一、色を差す瞬間といえます。文字盤の中央8時方向周辺に微かなエイジングが見られますが、肉眼ではほとんどわからない程度です。





■スモセコの下には英国製品の証が
端正な作り込みのスモールセコンド文字盤の下にはMADE IN ENGLANDの控えめな文字がプリントされています。戦後、英国チェルトナムにある自社工場で生産されたことを示した、スミス社の慎ましやかな誇りといえるでしょう。




■オリジナルの竜頭が健在
ヴィンテージ・ウォッチにおいて、ベルト、風防、そして、竜頭に関しては消耗品と考えられ、それらがオリジナルの部品でなくても、評価は下がらないと言われています。しかし、この1215には新品当時の純正竜頭が極めて良い状態で装着されており、使用頻度が少なかったことが分かります。



■ケース本体の側面にはヘアライン加工が
3ピースのステンレス・スチール製ケースの本体部分には側面のみヘアライン加工が施されており、ラグの極めて美しいラインとともに、この時計の隠れたチャームポイントと言えます。




■裏蓋の微かな腐食キズ
全体的に極めて美しい状態を保った、1950年代初期の1215としては、異例のコンディションと言えますが、裏蓋には表面的な腐食によるキズが微かに見られます。






■裏蓋のコンストラクションも極めて良好
英国製であることが分かるケース裏蓋は、開閉による歪みなどのない極めて良い状態が保たれていることが分かります。






■1215Cタイプ初期ムーブメント
1215ムーブメントにはA、B、Cタイプがあり、この1215に搭載されているキャリバーはCタイプの最初期型です。1215としては最終型に、そして、デラックスの最初期型に搭載の熟成された信頼性の高いムーブメントです。



■洗浄工程の1215ムーブメント
ムーブメントを分解して洗浄。この後、振り子などをさらに分解して、本来の精度を取り戻すための洗浄、注油、そして、調整を行います。









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