スミス専任時計師のウォッチギャラリー・ビッグベアー店主、大熊 康夫のブログ
「モデルで選ぶスミス②」
~初期モデルならではの魅力~
英国より戦後のスミス初期の1215モデルが入荷
今回、英国より入荷致しましたスミスは、戦後最初期モデルである1215の、極上といえるコンディションの個体です。
1215の中では中期に位置付けされているこのモデルは1940年代末期に生産されており、恐らく生産時期は1948~1949年であると推測されます。
1215の中では中期に位置付けされているこのモデルは1940年代末期に生産されており、恐らく生産時期は1948~1949年であると推測されます。
ニックル製のケースとステンレス・スチール製のベゼルと裏蓋とから構成された3ピースのファンシーラグ・ケース、アルミに繊細なヘアライン加工が施された味わい深い文字盤、そして、サークル・オーナメントが付く極細の時針など派手さの全くないシンプルなデザインの中に際立った個性が随所にみられる極めて美しいモデルであると言えます。
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この初期モデルならではのピュアな魅力
スミス1215シリーズの中でも、このモデルには、シンプルかつピュアな際立った魅力が多く詰まっています。
角のような独特な形状のファンシーラグは、その形からホーンラグとも呼ばれています。
角のような独特な形状のファンシーラグは、その形からホーンラグとも呼ばれています。
そして、スミスのロゴはシンプルに配置されており、他にはシリーズ名の1215などの表記すらありません。
また、最も印象的で、魅力ある時針に施されたサークル・オーナメントは、スミスに限らず他の時計においても極めて珍しく、かつ、魅力的な装飾であると言えるでしょう。
さらに、飾りっ気のないアラビア数字と、主張し過ぎないドットと共に、シンプルだからこそ感じられる奥深い魅力が溢れています。
どんな製品であっても、初期モデルには、大きな魅力を感じることが多いと言われていますが、その理由は、デザイナーや設計者の意向が色濃く反映されているからと言って良いでしょう。
どんな製品であっても、初期モデルには、大きな魅力を感じることが多いと言われていますが、その理由は、デザイナーや設計者の意向が色濃く反映されているからと言って良いでしょう。
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美しさが際立つ1215-Cタイプムーブメント
1215のムーブメントの基本設計は、デラックスのCタイプムーブメントとほぼ同じですが、1215の中期までは、真鍮ベースのムーブメントの骨格がニッケルメッキであることや表面にはコート・ド・ジュネーブ加工が施され、スミスのロゴが刻み込まれているところで独自の雰囲気を醸し出しています。
コート・ド・ジュネーブとは、広大なレマン湖の南端に位置するスイスの都市ジュネーブの庭という意味で、ムーブメントの表面に繊細な曲線を刻み込むことで、実際には平らな面を曲面に見せる効果のある、スイスの高級時計に使われている表面加工です。
この個体のムーブメントは、オシドリという部品に問題があったため竜頭を引き抜くことが出来ず、それに伴いムーブメントをケースから外せなかったことで、整備が出来ず、その生涯のほとんどが不動状態であったため、ほとんど使用されておらず、各部は新品状態を保っていました。
当店では、ムーブメントをケースから取り出し、完璧なオーバーホールを行うことで、本来のスミスの性能と美しさを甦らせることが出来ました。
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