こんなサイズのスミスがあるなんて!
ヴィンテージウォッチは現代の時計に比べて圧倒的に小さい。そして、その小ささが魅力のひとつとも言えますが、実はマグナムサイズのスミスもバリエーションは少ないですが生産されていました。マグナムサイズとは言え、外径は35mm前後。スミスとしては大きいといったサイズ感ではありますが、その存在感は他を圧倒しています。そして、総合時計メーカーとしての幅広い需要にこたえた証とも言えます。
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■ベルトサイズを16mmとしたデザイン
右側の標準的なサイズのデラックスと比較してみると、ふた周りほど大きく見えるマグナムサイズのデラックス。ケースの外径差はわずか2.8mm。数値以上に大きく見せてるポイントは、ベルトサイズを標準の16mmとしたことで、実際のサイズ以上に大きく見えるデザイン上の工夫が分かります。金メッキの質も銅の含有率が多いピンクゴールド。
■マグナムサイズなのに上品な佇まい
外径34.8mmながら、淡い色合いのピンクゴールドに微妙なデュオトーン文字盤に金のインデックスと針のバランスには派手さは一切なく、英国らしい慎ましやかで上品な佇まいを感じさせます。このサイズにして、スミスらしさが微塵も失われていないデザインには敬服です。
■文字盤の大きさが分かります。
ステンレス・スチール製の裏蓋はムーブメントをすっぽりと包み込む独特な形状。簡単に取り出せるムーブメントと文字盤の外径差はかなり大きく文字盤のサイズ感がお分かりいただけるでしょう。通常のモデルではムーブメントと文字盤の外径は、ほぼ同寸です。
■独特な形状の裏蓋
裏蓋は器状となっており、そこへムーブメントが収まります。右下の切りかき部分、竜頭の軸をクリアするための物。つまり時計本体から裏蓋を外すと、ムーブメントと文字盤が一緒にはずれる構造になっています。
■チラネジ付きの振り子
画面右側に見えるリング状の振り子には、良く見ると幾つもの筒型の突起物が付いています。これはチラネジと呼ばれるおもりで、振子がスムーズに回転するようにバランスをとっています。もともと機能部品でしたが振り子の工作精度が上がるとともに、スミスの場合は1960年代から姿を消します。
■ロードームのレンズはアクリル製
戦前、ほとんどの時計の風防はガラス製でしたが、戦後、ガラスに代わる割れにくいアクリル素材が普及し、スミスにも戦後初期モデルよりアクリル製の風防が装着されるようになりました。ガラスよりも圧倒的に軟らかいため落下時など衝撃を吸収してくれるので、実は時計を守る効果もあるのです。
■竜頭はオリジナル
このデラックスは状態がよいことと共にオリジナリティーが高いことも特筆できます。竜頭は代表的な消耗部品のひとつですが、このデラックスの竜頭は新品時に装着されていた、貴重なオリジナルが残されています。ギザギザ部分の摩耗も少なくまだ使用可能な状態です。
■裏蓋の状態も抜群
時計の裏蓋は腕に装着してしまえば隠れてしまうので、気にされない方も多いのですが、他の部分の状態が良いと、やはりコンディションは気になるもの。多少の使用キズは見られるものの深いキズやヘコミなどのない美しい状態を保っています。
■光の当たり方で表情を変える文字盤
数ある高級品と呼ばれる製品の中でも、時計の文字盤ほど、その質感や表面処理に力を注いだものはないでしょう。このデラックスは質感の異なる表面加工で微妙なデュオトーンを表現しています。さらに光の当たり方で写真のような微妙な表情を見せてくれます。
■1950年代らしいサイドビュー
真鍮に金メッキが施されたこのモデルのケースは、サイドから見ると1950年代らしい厚みのあるいかにも頑強なイメージを与える美しいラインで構成されています。ラグへと流れる曲線は見た目の美しさだけでなく、腕に装着した時の一体感を生み出してくれます。
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