2023年7月17日月曜日

スミス専任時計師の
ウォッチギャラリー・ビッグベアー店主
大熊 康夫のブログ

「好みのスミスはどの時代?
  時代を選べば欲しいスミスが決まる


スミスの腕時計を好きになり欲しいと思った瞬間、あなたはどのモデルを選んでよいか悩んでしまうことでしょう。

そんな時に、あなたの助けとなるのは、まずは時代を選んでみるということ。ここでは、エンパイアなどの廉価モデルを除く戦後のスミス(イングランドのチェルトナム工場で生産された高性能モデル)に絞ります。

その理由はふたつで、❶ムーブメントの部品供給に問題がないこと。❷品質が世界水準であること。

そして、時代を分けるとすれば、❶戦後間もなくより1951年まで。❷1952年から1966年まで。そして、❸1960年代半ばから1970年代初めまでの、3つの時代。

この3つの時代でデザインが大きく変わるため好みに合わせて選んでいただくのがおススメです。





❶戦後間もなくより1951年までの1215モデル

1946年~1951年までは、1215(トゥエルブ・フィフティーン)モデルの時代。

このシリーズは、アルミに縦方向のヘアライン加工を施しアラビア数字やギリシャ数字をプリントしロゴはSMITHSのみで、針は極細の青焼針または金針を採用した極めてシンプルな文字盤デザインが魅力です。※文字盤は稀に白塗装や夜光塗料付きのモデルもあります。

ケースは写真の角型のホーンラグと呼ばれるラグ形状が多く、9金無垢、銀無垢、ニッケル無垢、そして、ゴールドプレーテッド、クロームプレーテッドなど多数のバリエーションがありますが、いずれもデザインはシンプルで初期モノならではの奥深い魅力を放っています。

ムーブメントはチラネジ付きの振り子など戦前の流れを汲むメカニズムと言えますが、ショックプルーフなどの先進技術は導入されていません。

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❷1952年~1966年のデラックス・モデル

1952年~1966年までの主にデラックス(一部アストラルなども含む)の時代。

この時代には、主にデラックスが販売されていましたが、一部アストラルやインペリアル、エベレストも販売されていました。

特徴は写真のデラックスのように、伝統的なデザインを意識した文字盤やケースデザインが魅力で、多くの時計好きの間でヴィンテージウォッチらしいと思われているデザインと言えるでしょう。

ムーブメントは1215時代からは進化を遂げており、また、後期モデルにはショックプルーフなどの当時の先進技術が採用されています。

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❸1960年代半ば~1970年代初期までのアストラル・モデル

1960年代半ば~1970年代初期までの主にアストラル(一部インペリアルやエベレストも含む)の時代。

特徴は写真のアストラルのように、当時におけるモダンを意識したシンプルで洗練された印象の文字盤及びケース・デザインが魅力です。

当時はモダンを意識したデザインでしたが、今見ると発売当時ならではの上質な素材とデザインにヴィンテージ・ウォッチとしての魅力を感じることが出来ます。

そして、ムーブメントは❶❷から、さらに進化した精度、耐久性共に向上しています。

※工場出荷時の精度の基準値は、どのモデルであっても1日1分以内でしたが、ウォッチギャラリー・ビッグベアーでは平置きでの精度を30秒以内としています。

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