スミス専任時計師のウォッチギャラリー・ビッグベアー店主、大熊 康夫のブログ
~時計師の仕事場 #0005~
■ 別格のコンディション、その理由とは ■
「例えば、金無垢のプレゼンテーションウォッチ」
いわゆる、ミントコンディションなどの、未使用品に限りなく近い状態のヴィンテージ・ウォッチは、どんな理由で、市場に現れるのでしょうか。
例えば、退職時の記念品として贈られた金時計は、長年、会社に勤めたことで手に入れた感慨深い思い出の品となるため、使用頻度を極力抑え、だいじにオリジナルのプレゼンテーション・ボックスへ入れ、机の引き出しなどで保管されていたということは、よく耳にすることです。
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「それではメッキケースの場合は?」
ところが、今回ご紹介する、メッキケースなどのプレゼンテーション・ウォッチでない時計は、時計が欲しくて、自分自身で購入することが殆どです。
そのため、使用頻度は増え、ほとんどの場合、毎日使用することが多く、どんなに大切に扱ったとしても、使用キズや経年変化などのエイジングが伴うものです。
使われなかった一番の理由として考えられるのは、購入後、使い始めて起こる初期不良による故障であると言えます。
スミスの場合、当時、メーカーの動作保証は、一年間付帯していため、無償の修理を受けることが出来ましたが、そのうち修理に出そうと思っていたものの、すっかり忘れてしまい、いつの間にか保証期間が過ぎ去り、面倒になり、他の時計を手に入れてしまう・・・。
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「修理すれば新品同様に甦る」
購入後すぐに故障して、修理せずに保管されていた時計。それは、スミス愛好家にとって、これほどありがたいことはないでしょう。
動作はしませんが、約60年前の状態のまま、眠り続けていたスミスは、修理さえできれば、最上級のコンディションとなるのですから。
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ビッグベアーでは、ムーブメントのデッドストック・パーツや、現行品のスミスと同じ規格の消耗部品を豊富に在庫しています。
だからこそ、別格のコンディションのスミスに甦らせることが出来るのです。もちろん、破損した部品を交換するだけではなく、すべてを分解し、スミスの工場で行われていたのと同じ作業で組立、調整、動作確認を行います。
その上、スミスの欠陥部品は、独自に開発した対策部品に交換することで、スミス社の保証期間の3倍の、3年間の動作保証を付けています。