2022年12月18日日曜日

スミス専任時計師のウォッチギャラリー・ビッグベアー店主、大熊 康夫のブログ

~スミス腕時計のケース材質~ 

3. ゴールド・プレーテッド・ケース



真鍮などをベースに、金をコーティングしたケース

ゴールド・プレーテッドは、聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんが、GPとも表記される時計のケースに多く使用されている材質を表す言葉です。

スミスの場合、一部の例外を除き、真鍮で形造られたダイキャスト製のケースに、電気的に金の薄い膜をコーティングさせています。

金は表面的であるため、金無垢よりも強度に優れ、真鍮よりも耐腐食性に優れているため、剛性の高さと美しさを両立したケースであると言えます。



ゴールド・プレーテッドのメリット

外観は金無垢と同じように金色ですが、金は表面的であるため、金の美しさや、耐腐食性を持ちつつも、地金は真鍮であるため金無垢よりも頑強で、なおかつ、低価格であることは大きなメリットと言えるでしょう。

そのため、時計に貴金属的な価値を求めるのではなく、あくまでも、そのデザインを楽しみながら、英国の優れた機械式時計として使う用途であれば、充分にスミスの魅力を満喫することが出来ます。



ゴールド・プレーテッド・ケースのお手入れ方法

ゴールド・プレーテッド・ケースは、極細目のコンパウンドが染み込ませてある貴金属用の磨きクロスなどで、汚れやクスミ、また、極めて浅い使用キズを取り除くことが可能ですで、適度に磨くことで本来の美しさを保つことが可能です。

しかし、金のコーティングは、20ミクロンほどと、とても薄いため、磨きすぎてしまうと真鍮などの地金が、表面に現れてしまいますので、磨き過ぎには注意が必要です。

また、すでに、金のコーティングが剥がれてしまっていて、地金が真鍮である場合には、金とほぼ同色ですので、真鍮が露出している部分を磨きクロスで磨くことで美しくさを取り戻すことが可能です。