2019年8月4日日曜日

デラックスの中でも特に人気の高いライン・ダイアル・モデル


生れたままの美しさがここに

この写真を撮影したのはPM5:30頃。そして夕方の斜光線を逆光で受け、レフ板は使用せず回り込んだ光のみを活しています。手持ち撮影のためISO感度は400で、レンズは50mmマクロをf2.8の開放、そして+0.7補正です。そのため文字盤やケースは実際の色よりも赤みが少々強く撮れていますが、このデラックスの持つ柔らかな印象は良く伝わるのではないかと思います。まるで、昨日、スミスのチェルトナム工場から出荷されたのではないかと思えるほどの美しさが隅々にまで及んでいます。こんなコンディションを英国人は「immaculate」と言います。それはミントやアズ・ニューを超えた最上級の形容のしゃれた言葉です。

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■繊細なロゴマーク
ルーペを使用しても、ここまでロゴマークを拡大することは難しいことですが、文字盤の状態がいかに良いかを知ることが出来ます。また、スミス社の技術力の高さも同時に知ることが出来るでしょう。





■細部に至るまで美しい文字盤
ミントコンディションと呼ばれる時計であっても、50年以上の年月を経過した個体は文字盤の隅などに微かなクスミなどが現れるものです、しかし、この個体には、そんなエイジングが全く見られないと言えるほどに細部までもが美しく保たれています。



■スモセコには整然と同心円の地紋が
メイン・ダイアルのホリゾンタル・ラインとは対照的にスモールセコンド・ダイアルには同心円の地紋が規則的に刻まれています。その繊細なラインは不均一でナチュラルな堀の深い水平線が刻まれた主文字盤のデザインを引き立てています。




■エレガントなラグのライン
一見シンプルで力強い印象を与える、このデラックスのラグ・デザインですが、サイド・ビューは繊細でエレガントなラインであることが分かります。こんな奥深いデザインスもこのデラックスの普遍的なも魅力の一因と言えるでしょう。




■裏蓋のイングレーヴィング
9金無垢ケースのこのモデルは、ほとんどがBRITISH RAILWAYのプレゼンテーション・ウィッチとして使用されていました。この個体も例外ではなく極めて魅力的な刻印が刻まれ、このモデルの個性となっています。




■裏蓋内側のホールマークス
オーナーが裏蓋を開ける機会はまずありませんが、内側にはいくつかの刻印があります。左から9金無垢であることの証である「9」と「375」そして「k」はイヤーマークで1965年製造を表しています。その右はライオンの顔で、金製品製造の際に、ロンドンの税務署が納税を認めたことを表しています。


■後期型15石ムーブメント
このデラックスに搭載されているムーブメントは15石の中でも後期モデルで振り子の軸受けにショックプルーフ機能を備えており、それまでの1215Cタイプムーブメントを上回る精度と耐久性を得ています。





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2019年8月3日土曜日

英国の美意識が宿るミリタリー


最も美しいミリタリー

スミス専門店であるウォッチギャラリー・ビッグベアーへいらっしゃるお客様には、様々な時計を愛用した末にスミスを選ばれるという方が多くいらっしゃいます。それはミリタリーについてもいえることで、IWC、ハミルトン、エルジン、オメガ、ウォルサムなどのミリタリーをお持ちで、最後にたどり着いたミリタリーがスミスだったということでご来店いただくといったことがございます。それはスミスが持っている、ミリタリーであっても妥協することのない英国らしさを最大限に引き出した美しいデザイン性にあると言って良いでしょう。機能性だけに留まらなかったバランスの良いデザインが、世界で最も美しいミリタリーを生み出したのではないでしょうか。

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■英国らしい気品こそが魅力
質実剛健と言われる英国製品のデザインには機能美だけではない、気品という最も表現することが難しい要素が含まれています。たとえ、それがミリタリーというジャンルにおいても、手を抜かずに製品に注ぎ込んだ結果が、この美しすぎるミリタリーを生んだのだと解釈できます。


■機能性がグッドデザインを生み出した
スミスのミリタリーには、潔い機能性を追求したデザインの中に、思わずはっとさせられるような美しさを感じることが出来ます。それは、トータルにバランスした、一目で感じ取れる全体の美しさだけに留まらず、細部の繊細なラインや竜頭のデザインにおいても言えることなのです。



■裏蓋の刻印はオフィシャルの証
スクリュー式の裏蓋には本物の軍用モデルであることの証が刻まれています。ブロード・アローの矢印をはじめシリアルナンバーや発行年まで、様々な情報が刻まれています。また、防水、防塵機能も当時としては一級品です。




■裏蓋の内側にある丸い窪み
SS製の裏蓋の内側には同心円の溝と共に中心に円形の窪みがあります。これは、次の写真に写されているダストカバー(防塵用の蓋)にある中央の突起と重なりムーブメントをしっかりと固定するための構造です。この機構により通常使用されているネジ2本を省くことを可能にし、トラブルの要因の軽減に役立っています。





■熟成されたムーブメント
このミリタリー腕時計に搭載されているムーブメントは、後期のアストラルにも使用されていたハック機能付きのスーパークウォリティー・キャリバーです。竜頭を引くと振り子左側に見える、極めて細い針のように見えるアームが回転する振り子を抑え、停止させることで時計の動作を止めることが出来ます。


■最後の英国製17石ムーブメント
このムーブメントは、長いスミスの歴史の中でチェルトナムで製造されたハイクウォリティー・キャリバーの最終モデルとなった、最も熟成されたメカニズムと言えます。このモデルの後継はスイス製の17石、アストラルに搭載されました。




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