2020年3月4日水曜日

青焼針のデラックス


もうひとつのブルースチール

「青焼針、スモセコ、金無垢デニソン・ケースのデラックス」これは、初めてのスミスを手に入れようと考えた時に、頭に思い浮かぶキーワードといえるのではないでしょうか。英国の老舗ケース・メーカーであるデニソン社が手掛けた9金無垢ケースとブルー・スチール・ハンズの組み合わせはトラディショナルな魅力をバランスよく凝縮しており、スミスの定番中の定番に値するモデルといえるのは確かではあると言えるでしょう。しかし、今回は、その同一モデルにあって異なったケースを持つ、隠れた人気のデラックスといえる後期モデルを、ご紹介しましょう。

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■正面の姿は前期モデルに酷似
オーナーでもない限り、正面だけを見て、このモデルの前期、後期を見分けるのは極めて難しいことです。なぜなら、前期、後期の違いは、ケース・メーカーがデニソン社であるかSCW(スミス自社のケースメーカー)社であるかだけであり、表向きのケース形状は酷似しているからです。


■ケース側面は一目瞭然
デニソン社製金無垢ケースの側面には、中央に裏蓋との分割線がありますが、このSCW社製にはそれが見られず裏蓋は極めて薄いデザインとなっています。また、注意深くみるとラグの側面もデニソンよりは丸みが少なく全体に、洗練されたスタイリッシュな印象となっています。


■裏蓋には美しいBRの刻印
裏蓋側から眺めると分割線が見て取れ、裏蓋がデニソンよりも圧倒的に薄いのが分かります。また、BRの刻印は、前期モデルのデニソンよりも深く彫り込まれており、その美しさが際立っています。美しい刻印もこのデラックスのチャームポイントのひとつと言えるでしょう。




■ムーブメントはしっかりとボルト固定
前期モデルのデニソン・ケースの場合、深い裏蓋内にムーブメントが沈み込むだけなのに対して、このSCWケースは、本体側にムーブメントがボルトでしっかりと固定されています。デニソン・ケースでは、長年の使用により、ガタが生じ竜頭操作時に文字盤とムーブメントがケース内で動いてしまうという問題の発生が多く、スミスは解決策として、コストをかけた自社製ケースを開発したと考えられています。

■ショックプルーフ機構の変遷
1950年代末よりスミスのムーブメントにはショックプルーフ機構が加わるようになりました。それは、振り子の軸受けをスプリングで支持する仕組みで、形状はクロス型の美しいものでしたが、強度に問題があったためか、1960年代初期には写真のようなバータイプの形状のものを使用した個体が極わずか生産されていました。どちらも一長一短あったためかバータイプは短命に終わっています。

■リザード本革ベルト
このデラックスには、極めて上質なリザード本革ベルトを装着しています。型押しとは異なり表面のうろこが極めて高い質感を生み出しているのがわかります。





■イタリア製の上質なベルト
革製品の加工技術とセンスでは定評のあるイタリア製のリザード本革ベルトをチョイスして装着。スミスには派手なクロコよりも、落ち着いたリザードが似合います。








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