2022年8月11日木曜日

   スミス専任時計師のウォッチギャラリー・ビッグベアー店主、大熊 康夫のブログ

~スミス腕時計・モデル紹介 #0001~ 

「オースチン社生誕50周年記念モデル」

英国自動車業界との深い関りが生んだ必然のコラボ



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ここに紹介するモデルは、1950年代に、ミニを始めとするカニ目やビッグ・ヒーレーなど数多くの名車を生み出した英国を代表するオースチン社がスミス社へ依頼し、創業50周年(ゴールデン・ジュビリー)を迎えた1955年にリリースした、スミスのデラックス・モデルです。






    「スミス社の英国自動車業界との深い関り」

1851年に、ロンドンの時計店として創業したスミス社。創業者サミュエル・スミスの孫にあたる同名のサミュエル・スミスが1910年代に、モーター・アクセサリー部門(スミス・モーター・アクセサリー・ディビジョン)を立ち上げました。

モーター・アクセサリー部門のスミス社は、主に自動車のメーターを始めとする計器類の製造販売を行い、ほとんどの英国車のメーターを手掛けていました。






「オースチン社とスミス社のコラボ・モデル」

そのため、スミス社は、オースチン、モーリスなど、英国の自動車業界との関係が極めて深く、ゴールデン・ジュビリー(創業50周年記念)や、退職時などに社員へ贈られた金時計として、金無垢のスミス・デラックスやアストラルなどが使用されていました。

中でも、1955年にリリースされた、このデラックス・モデルはスミス社初の自動車業界とのコラボレーションであると言われています。







「裏蓋に刻まれた美しい文字がオースチンの証」

金無垢ケースはケースのすべてが金無垢で造られており、その裏蓋も、もちろん金無垢製。そこに美しく刻まれた文字には、この時計をオースチン社が創業50周年のゴールデン・ジュビリーの年に勤続25年以上の社員へ贈った証であることが、誇らしく記されています。






「純正のプレゼンテーション・ボックス」

写真のボックスは、1955年にオースチンの社員へ贈られた際に使われていた、スミス純正のレザーバウンド・プレゼンテーション・ボックスです。

木製のボックスの表面にはレザーが張られ、さらにオースチンの紋章と社名ロゴ、そして、ゴールデン・ジュビリーの年号が金箔押しにて極めて美しく施されています。







「自動車メーカーとコラボしたスミス」


オースチン Second                   オースチン First                         モーリス without a box