2024年12月30日月曜日

 スミス専任時計師の

ウォッチギャラリー・ビッグベアー店主

大熊 康夫のブログ

佇まいで選ぶ③

「時が仕立てた唯一無二の佇まい」
この外観に秘められた完璧なムーブメントが魅力



ここまで使い込むのは至難の業

ヴィンテージウォッチといえども、ここまでエイジングされるのは、たやすいことではありません。

しかも、このデラックスには、酷使されたり放置された時計には現れない「正しく使い込まれてきた道具としての美しさ」が宿っています。

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長年使い込まれてこれたのは、正しい整備を重ねて来た証

機械式の時計は、オーバーホールという定期的な整備が不可欠。

ゴミの侵入や、オイルの乾燥などは、数年間使用したヴィンテージウォッチには
当然起こりうることです。

つまり、この時計を前オーナーが長年使い込むことができたのは、それらのトラブルを払拭する正しい整備が施されて来たことの証と言えるのです。

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使用頻度に合わせ、2~5年に一度のオーバーホールが必要

オーバーホールとは分解掃除ともいい、文字通りムーブメントを分解しパーツを洗浄、そして、オイルやグリスを注油しながら組立て本来の性能を取り戻す作業。

部品の摩耗や金属疲労などがなければ、竜頭とケースの隙間から侵入したゴミや、硬化したり汚れた油脂類を取り除き、フレッシュなオイルとグリスを注油することで、ムーブメントの健康状態が復活します。

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長年使われて来たムーブメントは、部品交換が必須
〜ヴィンテージウォッチであるスミスに対してビッグベアーが行うこと〜

英国からビッグベアーへ届くスミスは、デッドストックなどを除くと、当時、頻繁に使用されていたか、長年、机の引出しなどで眠っていたものばかり。

そのため、消耗品と呼ばれているスプリング類や金属疲労により本来の性能を発揮できなくなっている部品の交換が余儀なくされます。

スミスは当時、正規輸入されていなかったため国内で新品の純正部品調達は、ほぼ不可能です。ビッグベアーでは、英国の閉店した時計店などから、純正部品を集め、また、日本の時計部品メーカーとの共同開発で、スミスの欠陥部品などを独自に生産して、さらにスミスの部品と互換性のあるスイスやドイツ製の部品を使用して完璧な修理を可能にしています。

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この1950年代デラックスには、1960年代の進化したムーブメントが搭載

このデラックスの約70年間という長いヒストリーの中で、何らかの理由で1960年代のデラックス用のショックプルーフ機能が備わった優れたムーブメントが搭載され、万一の落下などの際にもその効果を発揮してくれます。

つまり、このことは「ケース形状など独自の魅力」を持ち、「長年使い込まれたクールな佇まい」の初期型デラックスを、「1960年代の高性能かつ安心な後期モデル同様に」思い存分楽しむことが出来ることを意味しているのです。

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