2024年10月18日金曜日

  スミス専任時計師の

ウォッチギャラリー・ビッグベアー店主

大熊 康夫のブログ

佇まいで選ぶ②

「レッドアローが輝くヴィンテージの味」
デュオトーン文字盤の中でも17石ならではのデラックス




程良いエイジングが魅力のデラックス

新品の時計と異なり、同じモデルであっても個体ごとに違った魅力があるのが、ヴィンテージ・ウォッチの良いところ。

この17石センターセコンドのデュオトーン文字盤デラックスには、まさに、この時計にしかない魅力があります。

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渋いデュオトーン文字盤に鮮やかに輝くレッドアロー秒針

長い歴史のあるスミスの腕時計には、英国ならではのデザインの良さが備わっています。

そのひとつに数えられるのが、このデラックスのチャームポイントといえるレッドアローの秒針です。

普段は眠っているようなダークレッドのレッドアローですが、ひとたび強い光を受けると、まるでルビーのように透明感のある美しい赤に輝きます。

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光の当たり方で微かなピンクに頬を染める文字盤

デュオトーン文字盤のセンター部分のマットな盤面は、個体によって微かなピンクに見えるときがあります。

実はこの部分は、艶消しの白でペイントされていますが、経年により色が変化して写真のようなピンクに見える瞬間が訪れることがあり、レッドアローの鮮やかな赤と調和して、見事なハーモニーを演じてくれるのです。

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防水機能が付くケースは、エベレスト・ウォッチの証

このデラックスの大きな魅力のひとつとして、防水機能があります。

スミスの時計には、ほとんどの場合、防水機能はついておらず、防水ケース仕様のデラックスは、全体の約一割といわれています。

現代のレベルにおいては、生活防水程度ではありますが、万一の時には大きな力となることでしょう。

エベレスト初登頂を達成した際も、ヒラリー卿の腕には、この防水ケースのデラックスがありました。

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新品同様のムーブメントは、防水ケースの恩恵

防水ケース仕様の、このデラックスの裏蓋を専用工具で開けると、そこには新品同様のムーブメントが姿を表します。

ゴムのパッキンが付属するスクリュー式裏蓋の恩恵は、こんなところにも見ることができます。

とても約70年前に製造されたムーブメントとは思えない極めて美しいメカニズムは、その精度も当時のままを保っています。

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新品時の美しさを保ったムーブメントに専門店の技術が加わる

新品当時の美しさを保ったムーブメントといえども、長年、時を知るための道具として使われて来たメカニズムであることは、他のスミスと変わりません。

専門店ならではのノウハウと適切な補修部品を使用して、たとえば消耗したスプリングや、スミスの欠陥部品といわれているボルトスプリングなどを新品部品や対策部品に交換し、オーバーホールを行います。

対策部品のほか、現代の高性能部品や、ハイグレード・オイルなどで、当時以上の性能と耐久性を与えられ、新しいオーナーの元へと届けられます。

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スクリュー式裏蓋の内側にはさり気ない装飾が

質実剛健といわれているスミスのコンポーネントは、必要以上の装飾を嫌い、そのコストを強度や優れた整備性に費やしています。

しかし、この防水ケースの裏蓋にはエンジンターンド加工が施されており、グレード感を演出しています。

ただ、この演出も装飾のための加工ではなく、滑らかな表面を作り出すための機能美であると言えるでしょう。

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2024年9月6日金曜日

 スミス専任時計師の

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大熊 康夫のブログ

コンディションで選ぶ②

「完璧なラインダイアル・デラックス」
真珠のような透明感と、木目のような造形の文字盤



1960年代の英国における金時計の価値観とは

当時の英国では、金時計は人生最大の贈り物として扱われ、そのほとんどは長年勤めた会社を退職する際の記念の品として、最大級の名誉を伴う時計だったのです。

それゆえ、受け取った人は大切に使う、もしくは、ほとんど使用することなくオリジナルボックスに保管していることが常でした。まるで黄金を手に入れたかのように。

そのため、スミスは金時計の製造に熱い思いをよせ、金時計のケースデザインのみならず文字盤や針、そして、ムーブメントや竜頭に至るまで英国の伝統に従った気品と、細部に至るまで上質であることに拘った製品づくりに徹していました。

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裏蓋の誇らしい刻印がこの金時計の価値を高める

このデラックスは、英国の国鉄にあたるBR(ブリティッシュ・レイルウェイズ)が44年間勤務した社員の退職時に贈った個体です。

裏蓋には、そのことを示す文字が極めて美しく刻まれており、この金時計のヒストリーとともにヴィンテージアイテムとしての価値を高めています。

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スミスの純正オプションであるブレスレットが付属

このデラックスには、純正のベルトは付属しておりませんが、スミスが純正オプション品として採用していたメーカーのひとつである、エクスキャリバー社製のブレスレットが付属いたします。

ほぼ未使用に近い極めて美しい状態を保ったこのブレスレットは、本体の美しさとも完璧な調和がとれており、1960年代当時のトレンドを文字通り肌で感じられることでしょう。

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エクスキャリバー社製ブレスレットは、 "Made in England"

このデラックスに付属するブレスレットは、英国のエクスキャリバー社製の製品でステンレス・スチールの構造体に、金メッキのカバーが付くタイプです。

このMODEL"50"の独特なデザインは、スミス社が1960年代に多く採用しており、当時の雰囲気を味わうには最適な付属品といえます。
※サイズは腕回り約185mmで、±15mmでも使用可能。

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季節やスタイルに合わせた使い方ができる二刀流

このデラックスにはリザード型押し本革ベルトと、写真のブレスレットの2種類のストラップが付属いたします。

夏場の汗をかきやすい時期にはブレスレットを、秋冬には革ベルトを使用されるのもありですが、ファッションスタイルや気分に合わせて使い分けても、楽しいものです。

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完璧なコンディションで個性を味わいつくす

9金無垢ケースの滑らかな質感、パールのような透明感と木目のようなダイアルデザインが唯一無二の世界観を演出し、楔形のインデックスと金針が道具としての機能美を主張します。

これらのスミスならではの個性は、完璧なコンディションであるが故に、そのすべてを1960年代当時のままに味わいつくすことが出来るのです。

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ほぼ新品状態の竜頭はスミス本来の巻心地を我がものに

竜頭と革ベルトは消耗品とされていますが、このデラックスの竜頭は、新品当時に装着されていたスミスの純正品であり、そのコンディションの素晴らしさから、見た目の美しさとともに当時の巻心地をも体感することが出来ます。

薄型で、繊細なデザインはこのデラックスのデザインにとけ込み、抜き差しのしやすさや巻上などの使い心地も一級品です。

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スミス純正ボックスに収まっていたことの意味

このデラックスには、ほとんど使用感のないスミス純正ボックスが付属しており、それゆえに約60年の間、ここまでの美しい状態を保ち続けてこれたといえるでしょう。

そして、今後、新たなオーナーが使用されるたびに、蓋を開けた時に現れる金箔で仕上げられたSMITHSの美しいロゴと、生まれた時の姿に限りなく近い美しさに目を奪われることでしょう。

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時計という時を知るための道具にとって最も大切なこと

現代において、時を知るためにはスマホがあれば充分で、時計は手首のアクセサリーなどと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ビッグベアーでは、60年以上が経過したヴィンテージウォッチであっても、発売当時の性能を保持していなければならないと考えており、実用的な道具としての機能を甦らせたうえで、3年間の動作保証とともに販売致しております。

そして、何より質実剛健であることを最も大切にしていたスミス社のポリシーは、過度な装飾を捨て去り、精度の高さと整備性の良さを第一に設計されたムーブメントを生み出し、そこには機能美のみが輝きを放っています。

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この至極の逸品はあなたの日常を変えてくれるでしょう

この1965年に製造されたスミスデラックスを、生活の中に取り入れるということは、単にお気に入りのヴィンテージウォッチを使い始めるというだけのことではないと、私どもは考えています。

それは、1965年製の手巻機械式時計を使うという非日常を楽しむことだけにとどまることはなく、英国の1965年という時代を手に入れるに等しい体験であると感じています。

なぜなら、英国の1960年代という時代に大きな評価を得た、イングランド最大の時計メーカーであるスミス社が、様々な英国の魅力を注ぎ込んで製造したのがこのデラックスだからなのです。

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2024年7月10日水曜日

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佇まいで選ぶ①

「ベンソンならではの佇まい」
1950年代J.W.ベンソン16石手巻腕時計




金属は長い歳月によりあるべき姿へ変化してゆく

1950年代の時計を造り上げている素材には、真鍮やクロームに金や鉄、そして、アルミニュウムなど様々な金属が使われています。

それらは、年を重ねるごとに表情を変えてゆきますが、鉄が錆びてゆくように実は酸化などにより金属本来のあるべき姿へ戻りつつあるともいえるでしょう。

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スミス社が全てを作ったベンソンの腕時計

すでにお気づきのことと思いますが、この時計はスミス社製でありながら他のスミスのモデルとは明らかに異なったデザインを身にまとっています。

さらに、1950年代に英国の老舗ジュエラーであるJ.W.ベンソン社がスミスにその生産のすべてを依頼した腕時計の中でも、このベンソンは特に個体数の少ないレア・モデルです。

しかしながら、スミスは他社の製品を製作する際にも、少なからずスミスらしいエッセンスを必ず加えており、我々スミス好きの心をくすぐるのです。

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極めて魅力的なベンソンのロゴはムーブメントにも

定評のあるスミス社製1215ムーブメントに、大きなルビーをひとつセンターに加えることで16石とした、このベンソンのムーブメントは耐久性をさらに向上させています。

また、ムーブメントにはJ.W.Benson Londonという極めて魅力的なロゴが刻印されており、ワンランク上の「1216」ムーブメントであることを誇示しています。
※1215の12は外径を、15は石の数を示しています。

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ここから始まるヴィンテージ・ライフの真髄

すでにヴィンテージの世界へ足を踏み入れていらっしゃる方も、また、このベンソンがきっかけでヴィンテージの素晴らしさを知った方にも、このベンソンは間違いなく、あなたの良き相棒となることでしょう。

この時計は純粋なスミス社製のプロダクトですが、J.W.Benson Londonというロゴが文字盤にプリントされているだけで、スミスとはまったく異なった世界観へとあなたをいざなうことでしょう。

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ベンソンならではの佇まいをお楽しみいただけます

デュオトーンの文字盤や三針は、紛れもなくスミスデラックスのそれですが、ベンソンとして生を受け70年近くを生きて来たこの時計にはベンソンでしか味わうことの出来ない佇まいがあります。

ここまで使い込まれた時計でも、ビッグベアーの徹底的なメンテナンスを受け新たな70年を生きてゆける個体に仕上がっています。

この佇まいを気に入っていただいた方に安心してお楽しみいただきたい。

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2023年11月30日木曜日

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美しさで選ぶ④

「至極の逸品」
1958年スミスデラックス9金無垢15石腕時計


美しさとオリジナリティーのグッドバランス

1958年に製造されたこのスミス・デラックスは、美しい状態を保ち、なおかつオリジナルボックスや保証書が付属する極めてバランスの良いアイテムといえます。

状態の良い青焼針の金無垢デラックスが少なくなっている現在においては、ベストなセットであるといえるでしょう。

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このデラックスの魅力

スミスに興味をお持ちの方ならば、一度はこの青焼針の金無垢デラックスを視野に入れたのではないでしょうか。

それは、光が当たると青く輝くブルースチールハンズ、浮彫で視認性の良いアラビア数字、アイボリー色の文字盤とスモセコ、そして何と言っても英国の名門デニソン社の滑らかな曲面が特徴の金無垢ケースなど魅力が満載だからに違いありません。

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美しさが際立つ青焼針とそのコンディション

シャープかつ奥深いデザインの青焼針は、まるで南米に生息するモルフォ蝶のような魅惑的な輝きを放ちます。

そして、そのコンディションは微かな経年変化が見られるものの頂点といっても良いほどの美しさを保っています。

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ボックスの美しさも際立っています

時計の状態はもちろんのこと、付属のオリジナルボックスのライニングもご覧の通りの美しさ、所々にエイジングは見られるもののとても60年以上が経過した製品とは思えません。

ベルトはイタリア製の本リザード革の新品を装着していますので相性も良く、気持ちよくご使用いただけます。

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専門店ならではの整備が新品当時の性能を甦らせる

このデラックスはその外観からもお分かりいただけるように、ほとんど使用されることなくオリジナルボックスの中で保管されていました。

とはいえ、60年以上が経過した製品ですので、スプリングなどの金属疲労は無視できません。

それらの消耗品は新品、もしくは対策部品に交換し、専門店ならではのノウハウで工場出荷時と同等以上の性能に仕上げられており、3年間の動作保証を付けられる理由がそこにあります。

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「動画ならではの立体感やムーブメントの繊細な動きをぜひご覧ください」





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2023年10月27日金曜日

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美しさで選ぶ③

「デュオトーンにおける孤高の存在」
拘りぬいたケース材質とデザイン


どことなく異なる、凛とした佇まいの理由

一見するとスタンダードなデュオトーン文字盤のデラックスと思われがちなこのモデル。

実はこのモデル、ステンレス・スチールをベースにしたゴールド・プレーテッド・ケースが採用された、とてもレアなデラックスなのです。

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孤高の材質感と美しい造形に酔いしれる

デュオトーン文字盤の魅力はスタンダード・モデルと変わりませんが、このデラックスは、他とケースの材質と造形がまったく異なります。

スタンダードのデュオトーンは真鍮にゴールド・プレーテッドもしくはクローム・プレーテッドが施されていますが、このモデルはステンレスのベースメタルにゴールド・プレーテッドが施されているため、引き締まった硬質な印象をその造形に感じられ、また、使い込むほどに独自の質感を醸しだします。

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ステンレスにゴールド・プレーテッドならではの表情

このモデルはステンレス・スチール+ゴールド・プレーテッドというイレギュラーな組み合わせが採用されていることでケースの印象が他と大きく異なります。

使用することで変化してゆく味わい深い表情は、真鍮ベースのケースにはない独自の質感といえ、当時、スミス社のこのモデルへ対する深い拘りであったと感じられます。
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プレゼンテーションであったからこその美しいコンディション

この個体の裏蓋には美しく刻まれたイングレーヴィングがあり、このことからプレゼンテーション・ウォッチであったことが分かります。

プレゼンテーション・ウォッチは退職時などに記念品として長年勤めた会社から贈られる時計で、使用頻度をひかえ、大切に使われていたケースが多く、この個体のような素晴らしいコンディションが保たれていたという訳です。

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この時代には珍しいショックプルーフ機構が搭載された振り子

裏蓋の刻印から、このデラックスが製造されたのは1956年以前と考えられますが、この時代にショックプルーフ付きの振り子が搭載されているのは極めて珍しいことです。

振り子にはチラネジが見られますので、1960年代初期以前の振り子であることが分かりますが、文字盤には「shockproof」の文字がないため、実験的に製品に導入された個体であったとも考えられます

ヒストリーは不明ですが、最初期のチラネジ付き振り子とショックプルーフのコンビネーションは見た目の違和感がない上、実用にはありがたい機能といえます。

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外観の美しさ同様にムーブメントもミントコンディション

使用頻度が極めて少なかったこのデラックスのムーブメントを分解してみると状態は極めて良いものでした。

とはいえ、消耗品であるスプリング類は新品交換を行い、工場出荷時の状態に仕上げていますので1950年代にタイム・ワープしたような気持でご使用いただけます。

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2023年10月22日日曜日

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佇まいで選ぶ④

「愛し尽くされたデラックス」
時を知る道具として正しく使い込む



1950年代を心底楽しめるレア物デラックスが入荷

この度、英国より入荷したのは、いくつかのレアモデル スミスの中でも特に個体数の少ないデラックスです。

クローム・プレーテッドのケース、スモールセコンド文字盤、センターに施された地紋、そして凝った造形の浮彫インデックス、そのすべてが1950年代の魅力に溢れています。

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スミスの純正竜頭と端正に作り込まれたインデックス

竜頭は、唯一ひとの手で操作する時計のメカニカル・パーツです。このデラックスに装着されている巻心地の良い竜頭は、近年交換されたスミスの純正品です。

光の当たり方で、くっきりとした立体感が現れる端正な作りのインデックスはこの時計の魅力を力強く引き立てています。

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使い込まれて生まれた文字盤の自然なエイジングは真珠のような表情

大切に、しかし毎日使う時計として愛されて来たこのデラックスには約70年間の経年により生まれた自然なエイジングが各部に見られます。

特に文字盤の外周部分には光環境により、まるで真珠のような複雑で美しい表情を見せる瞬間があります。

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文字盤の網目模様が、このデラックスの繊細なチャームポイント

優れた英国製品には、このデラックスのように極めて次元の高いバランスの取れた美学を感じることができます。

その中でも文字盤センター部分に施された浮彫の網目模様は、このデラックスの繊細さを印象づける個性といえるでしょう。

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クローム・プレーテッドは、擦れて地金の真鍮が顔を見せる

ケースのクローム・プレーテッドのエッジ部分や裏蓋のオープナーと接する窪み部分などには擦れが見られ、地金の真鍮が露出しています。

これらは、実用品としてハードに使われ、また、度重なるオーバーホールによって、裏蓋が開けられたことを物語っており、機械式時計として本来の使われ方をされて来たことをうかがい知れます。

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定期的に時計師の手で整備されて来た美しいムーブメント

ビッグベアーでは、スミス純正の部品で構成されているというオリジナリティー、そして、正しい整備を受けて来た個体であることを重視して、英国より入手しています。

さらに、ムーブメントに関しましては、すべてを分解し徹底的な部品の点検を行った上で、少しでも消耗の見られる部品は交換や修復を行いスミスの工場出荷時の状態に甦らせて販売しています。

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前オーナーと時計師の気持ちを引き継いでいただきたい

日常の時計として頻繁に使用され、定期的な手厚い整備を繰り返されて来たこのデラックス。

このモデルの魅力に気づかれて、今まで同様に、整備をしながら使い込んでいただける方に出逢っていただけたら嬉しいです。

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2023年10月9日月曜日

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佇まいで選ぶ④

「70年物の質感を楽しむ」
完璧な整備で工場出荷時の精度が甦る


デラックスにはその名が示す通り贅沢な材質が使われていた

ヴィンテージ・ウォッチに魅力を感じるポイントは人それぞれですが、このデラックスを一瞥すると、質感の高さにやられてしまうことでしょう。

現代の製品のように表面加工を施して質感を高めるのではなく、上質な素材そのものの質感を生かしているところが1960年代以前の製品の肝なのです。

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ケースや竜頭、文字盤などのどこへ目を向けても保たれている質感

今回、英国より入荷したデラックスは、長年、実用に使用されていたことがすぐにわかるエイジングを伴った個体ですが、どこを眺めても味のある上質さと美しさが保たれています。

約70年の歳月を経ることで、時が作り上げた雰囲気の極めて良い佇まいとして感じられるのは、吟味された材質が使用されていたことに他なりません。

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3ピースのデニソンケースと純正竜頭の佇まい

英国の名門ケースメーカー、デニソン社の作となる、この3ピース・ケースは真鍮にクローム・プレーテッドが施された当時の高級時計にはスタンダードと言える材質が採用されています。

このことからは、50年、100年先に、どのように質感が変化し美しいエイジングとなってゆくかを想定して製作されていたことがお分かりいただけることでしょう。

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裏蓋に刻み込まれたイングレイビングが、このデラックスの個性

スミスのプレゼンテーション・ウォッチのほとんどは金時計ですが、このデラックスのSS製裏蓋には美しいイングレイビングが刻まれています。

また、この裏蓋の内側には多数の整備記録が刻まれており、長年にわたりしっかりとした整備が施されて来たことの裏付けといえます。

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ビッグベアーにて徹底的な整備を受けて甦ったデラックス

70年の間に、数多くの整備が行われて来たとはいえ、英国より入荷した状態は、スミスの工場出荷時と同等といえる状態ではありませんでした。

スミスの欠陥部品であるボルトスプリングを対策部品へ交換し、さらに消耗品の新品交換などビッグベアーにて徹底的な整備を行い新品当時の動作を甦らせてあります。快適に使用できる70年物のデラックスに仕上がりました。

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