2018年6月18日月曜日

ルミナス仕様のSSケース1215モデル


ステンレス・スチールの1215(トゥウェルブ・フィフティーン)

戦後初期に登場した純英国製の1215モデルは、スミス社が独自に開発した初のMADE IN ENGLANDのムーブメントが搭載されています。初期モデルということで、不具合の出る部分も多く、状態の良い初期の1215は極めて少ないと言えるでしょう。そんな中、この個体は、オイルとグリースの管理が良かったためか、使用感のある外観とは裏腹に極めて良好な精度を保っています。


1940年代の1215は、そのほとんどが金無垢やクロームメッキ、または、金メッキのファンシーラグの3ピースケースに搭載されていますが、このモデルはオーソドックスなデザインのSS製デニソンケースが採用されており、極めてレアなモデルと言えます。SSケースは硬質なイメージがありますが、ラグのデザインなどで、とても温かみのある印象を与えるモデルです。



また、1215の特徴であるアルミの地肌を活かした文字盤とブルースチールの長短針には、共にルミナス(夜光塗料)が施され、趣き深いデザインとなっています。ケースには使用キズが見られ、日常的に使用されていた個体であることが分かります。正しく使い込まれた道具だけが持つ、美しさが各部に宿っています!






長針の先端は文字盤側に湾曲しており、レンズのカーブに合わせた繊細な形状。そして、文字盤のアラビア数字はルミナスで色づけられた部分を囲むようにブラックの縁取りが施され、実際は平面的なプリントですが立体的に見えるデザインとなっています。



スモールセコンドの下に微かにMADE IN ENGLANDの文字がプリントされています。インデックスのラインも極めて繊細なラインにより形成されています。シンプルですっきりとしたデザインである反面、デリケートで繊細な面を持ち合わせた魅力的なモデルです。






竜頭は防水効果を目的としたものではありませんが、気持ち程度の防塵対策と言える二重構造です。また、サイズが少々大き目で巻きやすいデザインと言えます。巻上げの際には手になじみ、愛着の持てる形状であることが指に伝わってきます。






ステンレス・スチール製の裏蓋にはいくつかの浸食された痕が見られますが、ヴィンテージウォッチらしい風格と約70年間の年輪を感じさせるエイジングです。







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