2023年6月2日金曜日

   スミス専任時計師のウォッチギャラリー・ビッグベアー店主、大熊 康夫のブログ

「モデルで選ぶスミス①」

~バランス感覚が光るスミス・アストラル~




英国よりアストラルの稀少モデルが入荷

スミス社は、自社チェルトナム(イングランド)工場製の高性能腕時計を30年以上の間、生産していたため、販売されたモデルの数は極めて多く、定番モデル以外にも、少量のみを生産した希少モデルも少なくありません。

今回、英国より入荷致しました1960年代のアストラルは、正にそんな希少モデルのひとつで、とても個性的なデザインが魅力です。

さらに状態が極めて良好で、ラグ先端のわずかな金メッキの擦れや、微細な文字盤などのクスミが見られますが、ニアミントコンディションで、このモデルの魅力を存分にお楽しみいただけます。

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個性的な文字盤が魅力

文字盤に刻まれた繊細なライン、一段掘り下げられた矢印のような形の大胆なデザイン12時のみがアラビア数字で、楔型と2本のバトンで構成されたインデックス。

さらには、太い菱形の長短針とスミスらしいレッドアローの秒針など、すべてが個性的なエレメントツであるにも関わらず、全体的にはまとまりのある英国的な気品を身に着けています。

何の秩序もない世界のように思えますが、隠された法則に従って構築されているように感じられるほどにバランスの良いデザインは、このアストラルを、希少モデルであると同時に、極めて魅力的なモデルたらしめています。

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極めて美しいキャンディー塗装のレッドアロー

秒針の先端にある赤い矢印は、秒針自体の形状が三角形になっておりクリアーレッドがキャンディー塗装されることで立体的なルビーが付属しているようなデザインに仕上がっています。

このクリアーレッドはクスミが出たり薄くなったりと経年変化による劣化が見られることもありますが、この個体は極めて美しい状態を保っており、このアストラルのチャームポイントになっています。

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シンプルながら、美しいラインを描くケースデザイン

このアストラルのケースは3ピース構成で、ベゼルと本体がゴールド・プレーテッド加工された真鍮製。

そして、裏蓋のみが剛性に優れたステンレス・スチール製です。また、夏場の汗などにも腐食しにくく、実用にも優れた性質です。

竜頭及びレンズは新品が装着されているため、発売当時の快適な操作が可能であるとともに透明度の高いレンズの効果は絶大です。

また、竜頭の抜き挿しの節度を司っているボルト・スプリングは、スミスのアキレス腱と言われていますが、ビッグベアーが国内の時計部品メーカーと共同開発した対策部品に交換され、新品当時以上の耐久性を生み出しています。

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美しく整備されたムーブメントは、高精度の証

このアストラルは、外観同様にムーブメントの状態も、とても約60年が経過した製品とは思えないほどの極めて美しい状態を保っています。

このことは、いかに使用頻度が少なかったことを表していますが、使われていなかった時計には、それなりの問題点が潜んでおり、たとえば、オイルの固着や見えない部分の錆の発生がそれにあたります。

ウォッチギャラリー・ビッグベアーでは、充分な新品部品や対策部品など経年により不具合の出やすいパーツを常に在庫しており、販売しているスミスに対しては、長年の使用にも充分に耐えられるよう適切な整備を行っております。

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長く使うことで味わい深く感じる英国デザイン

優れた英国製品の個性的なルックスは、単に流行を追ったり奇を衒ったりといった表面的なものではありません。

第一印象で、この時計にわずかながらも違和感を伴う興味を感じたとしたら、一週間もすると、この時計が忘れられなくなり、腕に着けだしたら、離せなくなるでしょう。

そして、時を重ねるうちに、このアストラルの魅力の虜となり、深みにはまってゆくことでしょう。

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2023年5月29日月曜日

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「佇まいで選ぶスミス①」

~フレアラグのニッケル無垢ケースと、青焼針のデラックス~


使い込まれた、その佇まいが手に馴染む

長年時計師の仕事をしていると、使い古され、その上、数十年もの間、放置された不動の個体に巡り合うことがあります。

このデラックスのように、時計本来の時を知るための道具として、大切に永年使われて来た個体には、時を重ねて来た佇まいが個体の魅力として感じられます。

腕に着けてみると、特に普段着の質感とも相性が良く、もう長年、自分が使い込んで来たかのように手に馴染みます。

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入荷時の状態は不動でしたが…

英国より入荷した時の状態は、ケースの小傷、レンズのくもり、文字盤の経年変化など、使い込まれた状態で、さらに竜頭は巻き上げられているのに、振り子は停止状態でした。

しかし、青焼針は光を当てると、美しいメタリック・ブルーに輝き、ムーブメントは、数十年は放置されていたようで、完全にオイルが固着していましたが、どこにも部品の不良個所は発見できませんでした。

つまり、分解掃除をして、オイルを新品に、さらには動力ゼンマイやボルトスプリングなどを新品及び対策部品に交換することで、新品当時の精度と、それ以上の耐久性を取り戻すことが出来る個体であることがわかりました。

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オーバーホールにより甦ったムーブメント

全てを分解して、ケースを軽く磨いて自然な艶を甦らせ、レンズを新品に交換文字盤や針は、クリーニングにとどめます。

さらには徹底的なオーバーホールと、ほとんどのスプリングを交換、特にゼンマイは現代のスイス製品に、スミスの欠陥部品であるボルトスプリングは、国内の時計部品メーカーと共同開発した対策部品に交換することで、新品当時の精度とそれ以上の耐久性を手に入れ、再び時を刻み始めました。

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ニッケル製デニソン・ケースと青焼針が魅力

クローム・プレーテッドとは明らかに異なる、温かみのあるニッケル無垢のデニソン社製フレアラグ3ピース・ケースが採用された、このデラックスは、青焼針と浮彫のアラビア数字と共にスミスらしい個性を感じさせます。

そこに、ナイロンベルトのカジュアルな雰囲気が加わり、普段使いや、キャンプなどのアウトドアにもマッチするコーディネイトに仕上げています。

このデラックスにはリザード型押しの本革ベルトも付属いたしますので季節によって使い分けるのもお勧めです。


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確かな精度とともに、ヴィンテージウォッチらしさをお楽しみいただきたい

ヴィンテージウォッチらしいエイジングした外観を楽しみたいと思っても、ムーブメントの状態が気になり、簡単には手を出せないと思われる方は多いのではないでしょうか。

つまり、外観がエイジングした個体は、使用頻度が多かったことで、ムーブメントの状態も良くないのではと考えてしまう。

ある意味、その考え方は正しいと言えるでしょう。しかし、ビッグベアーのスミスは、大きく異なります。

ビッグベアーが販売するスミスは、外観がエイジングしている個体であっても、ムーブメントが新品当時の性能を発揮できない個体は販売致しません。

安心してエイジングの佇まいを楽しんでいただけることがビッグベアーの使命であると考えております。

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2023年5月14日日曜日

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「エベレストを征したデラックス」

~英国登山部隊のヒラリー卿が証明したクウォリティー~



2023年5月16日発売号
★雑誌Begin誌7月号にエベレスト・ウォッチとして、掲載されました!★
~その裏付けとは、いったい…~




制覇できない山”エベレスト”を1953年に初登頂したヒラリー卿

登頂が困難と言われ続けて来た、世界最高峰のエベレストに初登頂したのは、英国登山部隊のヒラリー卿だった。

時は1953年5月29日のこと。ヒラリー卿の腕には、完璧に動作するスミス・デラックスがあった。

それは、1952年にリリースされたばかりのデラックス・シリーズの一本だった。スミス社は、その朗報を上の画像にあるように、デュオトーン文字盤のデラックスと共に発表し、その圧倒的なパフォーマンスの高さを示した。

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スミスの自信作、デュオトーン文字盤デラックス

エベレスト初登頂のニュースにより、一躍、世に知られるようになったデュオトーン文字盤のデラックス・モデルには、ゴールド・プレーテッドや金無垢、そして、ニッケル無垢などの様々なケースを纏ったモデルがリリースされていました。

その中でも、今回、取り上げた9金無垢ケースのフラッグシップ・モデルは、すべてにおいて上質かつ英国的な気品を感じさせる製品に仕上がっており、正にスミスの自信作といえる存在でした。

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オースチンが創業50周年アニバーサリーで社員へ贈った金時計

当時、優れた英国製品であったスミス・デラックスの金時計は、多くの企業が長年勤務した社員へ贈るプレゼンテーション・ウォッチとして採用していました。

このデュオトーン文字盤の金時計も、その例外ではなく、裏蓋の刻印からお分かりいただける通り、英国のモータリゼーションに多大な功績を残したオースチン社の創業50周年を記念して贈られた極めて貴重な一本です。

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上品な佇まいの中に、高精度と耐久性が詰まっている

ヘビーデューティーとしてではなくドレスウォッチとして企画、製作されたスミス・デラックスには、英国らしい控え目で上品なデザインと必要にして充分な機能が詰まっています。

それは、正に優れた英国製品であるための必須条件、質実剛健の設計理念で満たされていたと言えるでしょう。

デザイン面では、男性的なしっかりしたラグの設計や、光の当たり方で濃淡が反転するデュオトーン文字盤は秀逸といえるでしょう。

上の画像と、その二つ上の画像を比較していただくと、文字盤の濃淡の反転している様子が分かります。

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地球のどこでも使える実用品としてのデラックス

現代のショックプルーフやウォータープルーフ機構とは、もちろん比較することは出来ませんが、ヒラリー卿のひとことで、スミス社は、地球のどこでも使える実用品としての品質を、デラックスに与えていことが分かります。

そのことは、金無垢ケースの、このフラッグシップ・モデルであっても当てはまり、スイス・メーカーのラグジュアリー・ブランドが、18金を使用していた中、スミスのほとんどが9金であったことも、剛性の高さを優先していたことが頷けます。

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スミスのアキレス腱をビッグベアーが克服

極めて高品質であったスミスのムーブメントにも、唯一の欠陥が存在していました。それは、竜頭の抜き差しの節度を司るボルトスプリング(上の画像の部品)が使用頻度により5~10年で折れてしまうという問題でした。

つまり、英国で使用されていたほとんどのスミスは、この部品が破損しているか、新品交換されており、交換されていても、使用していれば、いずれ折れてしまいます。

この問題を、ビッグベアーでは、国内の時計部品メーカーと共同開発して、材質を変えることで、対策部品を製作し、完璧に解決いたしました。つまり、壊れる時計と言われ続けていたスミスが、壊れない時計に生まれ変わったことを意味しています。

※機械である以上、消耗部品の交換や、ゴミの除去、オイル交換など、オーバーホールは必要です。※上の画像で、左がビッグベアー製の対策部品、右がスミス製のオリジナルです。

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ヒラリー卿の言葉に酔いしれる

ヒラリー卿は、スミス・デラックスが、それまで誰も足を踏み入れることの出来なかったエベレストの山頂で、完璧な動作を示していたと報じています。

そんな、ヒストリーとストーリーのあるデラックスを、70年後の今、日常の時計として愛用してみてはいかがでしょうか。英国の伝統と技術力、そして、ヒラリー卿の感動と共に…!

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エベレスト品質のスミス社製腕時計を3年間動作保証付で

ウォッチギャラリー・ビッグベアーでは、デラックスやアストラルなどのハイグレードモデルのみを扱っており、それらには、15から19石のエベレスト品質のムーブメントが搭載されています。 

つまり、当店が扱うスミスのハイグレード・モデルは、年式やタイプによるわずかな差はありますが、どのモデルを選んでも、設計や材質の確かさはヒラリー卿のデラックスと全く変わりありません。

エベレスト品質のスミスを、発売当時以上の耐久性に仕上げ、3年間動作保証という安心と共に、様々なバリエーションの中から選んでいただける体制を整えております。

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2023年5月6日土曜日

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「文字盤のコントラストが魅力」

~視認性の良い文字盤と滑らかな金無垢ケース~



スミス・デラックスの王道といえるデニソン&青焼針

上質な表面処理が施されたオフホワイトの文字盤には英国的な気品を感じさせ、戦前からの伝統を受け継いだ青焼針は、通常の光の元では黒に近い濃いブルーとなり、立体的なアラビア数字と共に視認性の良い機能美と言えます。

また、金無垢ならではの質感を余すことなく活かしたデニソン・ケースは、力強さと滑らかな繊細さとを兼ね備えています。

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★このデラックスはゴールデンウィーク・スペシャルセール対象品です★
5月14日(日)までの特別価格です!
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強い光を受けると表情を大きく変える文字盤

このデラックスの長短針と秒針の青色は、鉄に焼き入れを施すことで鮮やかなメタリック・ブルーを生み出す、英国ではブルースチール・ハンズと呼ばれる塗装とは異なった手法により発色させた技術を用いています。

このブルースチール・ハンズは戦前より使用されていた伝統的な技術で、特にトラディショナルなデザインを重んじていたデラックスモデルに多く使用されており、光の受け方で表情を変える文字盤は魅力的です。

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一段掘り下げられたスモセコ文字盤

切削加工によりメインの文字盤より、わずかに掘り下げられたスモセコ文字盤には同心円の地紋が刻まれ、ブルースチールの秒針と共に上質かつ上品な佇まいを見せています。

文字盤に降り注ぐ光が強くなるほどに、文字盤のアラビア数字は、本来の金色に輝き、青焼針のブルーも鮮やかさを増します。

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本リザード革ベルトにより深まる魅力

この時代のスミスのフラッグシップといえるデラックスの金無垢モデルには、本リザード革ベルトを合わせたいもの。

小ぶりなスミスには、クロコよりもリザードの持つ繊細さが似合います。日常的なメンテナンスにより、ベルトの寿命は飛躍的に伸ばすことが可能で、そんなモノに対する心遣いが英国製ヴィンテージ・アイテムを嗜むための根本理念なのです。

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2023年4月11日火曜日

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「生まれたての美しさ」

~驚愕のコンディションのデラックス入荷~



デッドストックに匹敵する美しさ

先日、英国より入荷したこのデラックス。まるで先週、スミスのチェルトナム工場から出荷されたばかりと思えるほどの美しさを保っています。

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英国より到着した時は、この姿

残念ながら、ベルトは付属していませんでしたが、レンズや竜頭までもが、すべてオリジナルの部品で構成されています。




本リザード革ベルトを装着

さっそく、オーバーホールを行い、同じく英国から届いたばかりの新品の本リザード革ベルトを装着しました。




分解時に分かったことは、一度だけの整備履歴

極めて状態の良いこのデラックス。使用頻度が少なかったため、ムーブメントの状態も新品同様のコンディションです。さらに、裏蓋の内側には一度きりのオーバーホール履歴が刻まれていました。

動力ゼンマイなどの消耗部品の交換。そして、スミスの欠陥部品であるボルトスプリングを対策部品へ交換。さらに、徹底した整備を行ったことで、工場出荷時の精度と、当時以上の耐久性を手に入れています。




組み上がった新品同様の17石ムーブメント

分解、洗浄、注油、そして、消耗部品などの交換を終えて組み上がった17石ムーブメント。表面には、美しくフロステッド・ギルト加工が施されています。

スモセコ用の15石に改良を加え、センター・セコンド用の17石となったことが、一段増えたムーブメントの構造からお分かりいただけることでしょう。




エイジングの見られない美しい文字盤

使用頻度が少なかったとはいえ、ここまで美しい姿を70年近く保ち続けてこれたのは奇跡といえるでしょう。

入荷数の多い専門店だからこそ巡り合うことの出来る貴重な極上の一本です。




その美しさは、スミス本来の魅力

長い歳月の末、エイジングを身に着けた佇まいを楽しむことは、ヴィンテージ・ウォッチならではの楽しみといえるでしょう。

一方、このデラックスのように、生まれたままのスミス本来の状態を手に入れることで、徐々にエイジングを味わって行くことは、願わくば叶えたいこの上ない贅沢といえます。





様々な表情を持つ、このデラックス

このデラックスの文字盤には、マットな地盤に多様なデザインが施されています。浮彫のアラビア数字、中央に刻まれた地紋、その間には金のドットが散りばめられ、秒針先端にはスミス特有のレッド・アローが輝きます。

それらは、受けた光の種類により様々な表情を生み出し、全体的には地味なデザインといえますが、奥深く気品漂う英国的な味をお楽しみいただけます。




まるで金無垢のような滑らかさ

真鍮にゴールド・プレーテッドが施された、このデラックスのシンプルなケース・デザインからは、まるで金無垢ケースのような美しい滑らかさを感じ取ることが出来ます。

美しい状態を保ってきた驚愕のコンディションは、70年近くが経過した1950年代当時、そのままです。




差し色となる秒針のレッド・アロー

このデラックスにも、スミスのセンター・セコンド・モデルに採用されていた、秒針先端のレッド・アローが施されており、シックなトーンの文字盤の差し色となっています。




ここまで拡大すれば分かるベゼルのエクボ

ケースには微かな使用キズが見られますが、それらのほとんどは、ルーペなどで拡大しなければ、分からないもの。

そんな使用キズの中で最も大きなサイズなのは、ベゼルの2時付近にある、わずかな窪みです。しかし、この窪みですら、肉眼では見つけることが難しいサイズです。




このデラックスは、長くご愛用いただける方に

新品に限りなく近い外観。そして、工場出荷時以上の信頼性を身に着けた、このデラックス。長くスミスを扱っておりますが、このモデルで、ここまでのコンディションの個体は初めての入荷です。

日常の時計として、安心してお使いいただけるのはもちろん、1950年代にタイム・ワープして、新品のスミスを手に入れた気分で長くご愛用いただける方のお手元に届いて欲しいいデラックスです。

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2023年2月3日金曜日

 スミス専任時計師のウォッチギャラリー・ビッグベアー店主、大熊 康夫のブログ

「知って欲しい、真の魅力」

~機械式・手巻き腕時計の世界~


時を刻むメカニズムの美しさと心地よいリズム


機械式の時計には、必ず、時を刻むための振り子が備わっており、そこに至るまでの道筋となる、幾つものギアと共に、剛性と精密さとを兼ね備えた、内に秘めた機能美を造り上げています。

また、振り子の反復運動から生まれる、時計本来のチクタク音は、金属音でありながら心に響く繊細なリズムとなって心地よく耳に届きます。





滑らかに動き続ける秒針の意味


一般に、数多く使用されているクウォーツ式の時計は、ステップ運針と言われる一秒ごとに秒針が動くため、一瞬時間が止まっているように見えます。

一方、機械式の時計は、休むことなく動作しているため、秒針はスイープ運針とい言われ、滑らかに途切れなく進んでいるように見えるのです。

私たちの生活中での時の概念は、止まることなく進み続けますので、機械式の方が本来の時を示す道具としては、理にかなっていると言えるのです。





伝統的な技術と工作精度の進化が集積されたメカニズム


ゼンマイが、スムーズに反復運動するための要となるのが髪の毛ほどの細さの螺旋状に巻かれたヒゲゼンマイです。

そして、ゼンマイの軸の先端は、高い精度を生み出すために、髪の毛よりもはるかに細く極めて高精細に作られています。

スミス社が創業した1851年には、すでに、機械式時計の基本設計は確立されていましたが、その当時には腕時計はなく懐中時計のみの時代でした。

つまり、1970年代に至る機械式時計の小型化と高精度を目指した進化の歴史は、正に、スミスの歴史と共にあり、その結果完成されたメカニズムは、究極の手巻きムーブメントであると言えます。






修理可能であることは、長く使えるということ


すでに生産されてから半世紀以上が経過しているスミスの機械式手巻腕時計。

スミス専門店、ウォッチギャラリー・ビッグベアーで徹底的なメンテナンスを受けたスミスは、多くの部品交換と共に、工場出荷時の品質にリセットされています。

そして、定期的なオーバーホール(分解掃除)を行ってゆくことで、さらに、半世紀以上の年月を、快適に使用して行くことが可能なのです。






ほんとうに良いモノとは何かにお気づきのあなたへ


スミスの時計のほとんどがそうである、機械式時計の中でも、最もシンプルな手巻式腕時計。

「Simple is the best.」という言葉があるように、壊れにくく、素の魅力を楽しめる、本来のスミスの機械式手巻時計は、デザインやメカニズム、そして、材質などの全てにおいて、やり過ぎることのない質実剛健な英国らしい魅力を、長く使うほどに味わえる時計であると言えます。

英国車のメーターと同じメーカーだから、ヴィンテージが好きで、デザインが気に入ったから、英国製が好きだから、きっかけはそれだけでも構いません。

でも、スミスの時計には、それだけでは、もったいない、とても多くの魅力が溢れていることに気づいて選んでいただければ、ありがたいです。